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枯れ落ちる葉、朱に染まる紅葉
【レイプ 官能小説】

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枯れ落ちる葉、朱に染まる紅葉-1

枯れ落ちる葉、

「すみませーん、生中三つ追加してくださーい!」
 笑い声とポップスの喧騒渦巻く居酒屋にて、大城大学一年、三島武彦はウェイトレスを呼び止める。
「はーい、只今」
 今日は大城大学アウトドアサークルの定例会。会合とはいいつつ、部室で会議を小一時間してからは飲み会に早代わり。
 今日も例外に漏れず、サークルメンバーは皆赤い顔をして、歓談に耽っている。
 無礼講とはいうものの体育会系故の上下関係があり、基本的に一年、二年の男子が監事、注文を行い、女子は三年、四年の接待を行っている。
 ただ、武彦はやや渋い顔。その理由は、上座に居座る二人が原因。
「先輩、酔ってます〜?」
「そんなことないって、俺、元からこんな感じだし」
 真柴さつきは三年の三谷夏雄に肩を抱かれながら、さりげなく手で彼を押し退ける。
 武彦はその様子を苦い気持ちで見ていた。というのも、二人は去年から付き合い始めた関係だから。
「でも、こんなところ見られたら彼女さんに怒られますよ?」
 普段なら気の強い彼女だが、相手が先輩なこともあり、やんわりと拒否の態度を示している。
「うおお〜ん、それが聞いてくれよさつきちゃん、俺この前振られたんだよ〜」
 泣きまねをする彼だが、毎度のこと。特に二年、三年は毎度の彼の会話の切り口だとしっており、特に気に留めない。
「うああ、思い出してきちゃったよ。まじでブロークンマイハートだってばさぁ……」
「はぁ、それはお気の毒に……」
 おかしなスイッチを押してしまったさつきは、どう繕っていいのかわからず、おろおろする。周りの部員は特にどうするわけでもなく、ただ歓談に耽っており、さつきは武彦に救いを求める視線を投げる。
「先輩、もうその辺にしといたらどうです?」
 ウェイトレスが運んできたビール片手にやんわりと苦言を呈す武彦に対し、夏雄はうるさそうに手を振る。それどころか、さつきの肩にあった手が背中を通り、わき腹へと移動し、彼女がぴくっと震えた。
「やだ、先輩ったら、セクハラですよ?」
「無礼講、無礼講」
 がははと豪快に笑う夏雄は酎ハイをぐびぐびと煽る。
 武彦は、もし本当に無礼講なら既に空になったビンビールで思い切り殴っていると思いつつ、奥歯を噛む。たまに申し訳なさそうに彼を見てウインクするさつきに、なんとか平常心を保っていた。
「さつきちゃんはさあ、最近夜のほうはどうなの?」
 他の先輩にジョッキを運んでいた武彦が、一瞬固まる。女子メンバー比率の低くない飲み会ですべき話だとは、到底思えない。少なくとも二次、三次会、夜の深まった頃ならまだしも、この場では控えてもらいたい話題。特に酒を飲んでいないメンバーはあからさまに眉を顰めている。
「夜は普通ですよ? バイトが無い日は十一時に寝ます。夜更かしはお肌の大敵ですし……」
 不自然に話題をそらすさつきだが、酔いに拍車のかかった夏雄はしつこく食い下がり、
「そういう意味じゃないよ。子供じゃないんだし、わかるでしょ? エッチしてんの? セックスだよ、セックス!」
 いやらしい笑みを浮かべてさらにさつきを抱き寄せる夏雄に、武彦は注ぐビールがこぼれるのも忘れている。
「お、おい、武彦……」
「三谷も調子に乗りすぎだぞ……」
 不穏な事態に気付き始めた先輩、船岡克也は厳しい口調で夏雄を責める。
「うっせーなあ、俺は普通に後輩とのコミュニケーションをとってるだけであってだな、うだうだ言われる筋合いはねえよ」
 夏雄の弁に賛同する部員は少ないものの、上下関係の強いサークルにおいて、面と向かって反論するのは難しい。特に夏雄の場合は別格で、OBとの繋がりがあり、就職の際、コネを頼れるという噂もある。


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