枯れ落ちる葉、朱に染まる紅葉-8
「まぁまぁ、ぐびぐびっと……」
良子はそういうと、彼のから担ったコップにウォッカの何か割りを注ぐ。
「そんなには……」
いりませんと言いかけたところで、勺が止まる。
「何? 武彦君てば弱い方なの? そういえば飲み会でもあんまり飲まないよね。なんだ、弱いならそう言ってよ」
からかうように言う良子にむすっと来た武彦は、コップを突き出す。
「お、そうこなくっちゃね」
良子も獲物が釣れたことに上機嫌らしく、なみなみと注ぎ、自分のには手酌をして、再度乾杯。
「飲み比べってことで、いざ勝負!」
「先輩こそ、さっきみたいなことにならないでくださいね?」
「おー、言ったな? それじゃあねえ、もし武彦君が先にコップを空けたら、ストリップしてあげようかな〜」
「なっ!」
「どう? さっき見ようとしたのが見れるんだよ? やるでしょ?」
「明日、風邪をひいてもしりませんよ」
武彦はそう言うと、コップ一杯を軽々と飲み干した。
「おお、すごいすご〜い!」
良子は歓声を上げたあと、彼に向かって白い布を投げ、空いたコップに注ぎ始める。
「これは……」
それは先ほど彼女の胸を締め付けていたモノであった。
――嘘……。
白いシャツをよく見ると、色素の濃い部分が透けており、それは確実に……。
「ごくごくごく……」
武彦は焦る気持ちのまま、もう一杯飲み干した……。
「やだ武彦君てば、えっち〜」
次いで脱いだのは靴下一枚。ずるいと思いつつも、あと四枚も無いと、彼はコップを差し出した……。