枯れ落ちる葉、朱に染まる紅葉-75
「武彦だって……、竹川先輩と……」
「ぐっ……俺はだから、それこそ誤解だ。ただ先輩を送って、それで、酒を飲み始めたから、だから、何もないって……」
「でも、泊まったんでしょ?」
――二回も彼女の中でしたんでしょ?
「それは、そうだけど……」
狼狽する武彦。おそらく彼はまだごまかせるとふんでいるのだろう。
「それなのに、あたしが船岡先輩と一緒にいたこと、責めるんだ……」
「だって、なんで……」
「先輩はただ、バスケとか参加してなかったから、誘いに行っただけだし、昨日だってバーベキューの準備手伝ってくれただけだよ? というか、変なことなんか出来るわけないじゃない。常識で考えてよ」
「そっちこそ、常識で考えろよ……、なら、鍵はなんだよ」
「鍵って? あれは知らないよ。古いドアだし、勝手にかかったんだよ」
ここまで夏雄の思惑通りだと、笑いを過ぎて悲しくなる。
「けど、二人でいたじゃないか!」
自然と涙が出るが、悔しさではない。
「だって……酷いよ……武彦……」
「お互い様だろ」
「だって、だって……」
もうシナリオを描くのもバカらしくなったさつきは、ただ泣きじゃくるふりをする。
さっさと別れたい。もうそれだけがさつきの中にあった。
「さつき……!」
だが、武彦は何を思ったのか、いきなりさつきに抱きついてきた。
「え? 何、きゃ、やめて!」
不意を突かれたことに驚くさつきだが、ヘタクソなキスにすぐに冷静さを取り戻し、またいつものレイプだろうとため息をつく。
「いいだろ、さつき! なぁ! 俺達、恋人同士だろ? そろそろいいじゃないか……。お前だってそのつもりでここに誘ったんだろ?」
武彦はデニムのボタンを下ろし、チャックを引きおろす。温かい彼女の下腹部をさすり、そのままショーツに触れる。
「いや、そんなつもりじゃ……、お願い、武彦、正気に戻って……」 適当に抗おう。そうすれば彼とも切れやすくなる。さつきは見せ掛けだけの抵抗をはじめた。
武彦は彼女の胸元に顔を埋め、シートに押し倒すようにする。腰を浮かしてズボンを脱ぐ。自分の行為に興奮しているせいか、既に陰茎は勃起しており、トランクスの先っぽが濡れていた。
「だめだってば、バカ……武彦ってば……」
さつきは、胸にうずくまろうとする頭を押し退けようとしたり、髪をひっぱたりと抵抗をする。たどたどしい手つきでショーツを脱がせようとするので、破られたら適わないと、自分から腰を浮かせる。
「大丈夫、俺達は恋人なんだ……セックスぐらい普通だ……」
すでに恋人以外の男達と肌を重ねているさつきからすれば、これほど滑稽な台詞もない。
武彦は指を舐め、それを無遠慮に彼女の割れ目へと這わせ、そのまま強引に差し込む。
「やめ、痛いってば!」
女の扱いに慣れていない乱暴な手による行為に、さつきは苦悶の表情を浮かべる。昨日の男たちよりも女の扱いを知らない武彦には驚かされてしまう。
「すぐによくなるさ……それよりも……」
さつきの胸元に手を出し、そのままTシャツを捲りあげる。可愛らしいスポーツブラに収まる乳房。目を輝かせて唾を飲みこむ武彦からは、童貞臭さがにじみ出る。
ぷるんと飛び出るおっぱいは、おわん型の柔らかそうなもの。しっとりと汗ばんでおり、触ると彼女の口から「あん」と漏れる。
「さつきも気持ちいいだろ? な?」
「い……や……」
ヘタクソといいそうになるのを堪えるのが必死というのが本音だ。