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枯れ落ちる葉、朱に染まる紅葉
【レイプ 官能小説】

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枯れ落ちる葉、朱に染まる紅葉-5

**−−**

「それじゃ、またな〜」
 陽気な紀一は周囲にはばかることなく大声で挨拶すると、駅向こうへとふらふらと駆けていく。
「うう、気持ち悪い……」
 一次会のときからハイペースで飲んでいた良子はしゃがみこみ、さつきが介抱していた。
「大丈夫ですか? 先輩」
「ん、大丈夫。多分……」
 いつもならそこまで飲むこともなく、悪酔いするどころか強いはずの良子にしては珍しいこと。
「さつき、送ってあげてもらえるかい?」
「いいけど、でも先輩の家って……」
「えっと、相模大野のほう……」
「ん〜、逆方向だなあ」
「じゃあ、泊まって行けば……」
 女同士、問題もないだろうと武彦は提案するが、さつきは渋い顔。
「明日、朝のバイトがあって、ユニフォーム洗濯したのが家にあるの。だから、時間的に厳しいのよ……」
「そっか。どうしよう……。先輩をさつきのアパートに……」
 相模大野なら武彦のアパートが近い。ただ、酔っ払いの介抱とはいえ女性と夜を共にするのは、疑いのもと。何か間違いを起こすつもりはないにしても、フェアではない。
「それが、明日、私も早くに用があるの〜。だから、大丈夫。もう少ししたら普通に歩けるから……」
 ワガママな酔っ払いはへたり込んだまま、「う〜」とうなる。
「ああ、このままじゃ……。ねぇ、武彦、先輩のこと送ってあげて……」
「でも……」
 さつきからの提案とあらば、それほど反対するつもりもない。彼女は武彦が間違いを起こさないと信じてくれての提案なのだから。
「わかったよ。じゃあ先輩、行きましょうか……」
「うん……」
 先ほどまでは立つのも面倒くさがっていた良子はふらふらと立ち上がり、よろけたと思うと、そのまま武彦の胸にしがみつく。
「ちょ、先輩!」
「ごめん、立ってられない……、おぶって……」
「いや、でも……」
「じ〜」
 疑惑の眼差しのさつきに、慌てて頭を振る。
「なんてね。いいからちゃんと先輩送って行ってね……」
 一変、笑いをこぼすさつきは手を振りながら帰路につく。
「参ったな、どうも……」
「ねぇ、おんぶ……」
 おんぶを迫る良子は武彦にすがろうとぴょんぴょんと飛び跳ね、首筋に手を回す。
「ちょっと危ないって……あっ……」
 おんぶというより抱っこを求める良子に驚いた武彦はそのままバランスを崩しそうになる。
「あわわ……」
 抱きつく恰好の良子を抱きかかえる武彦。
 着やせするらしい胸のふくよかさが服越しに伝わり、抱きかかえる手は臀部のムチムチ感を堪能する。
「ん〜……」
 そして、よろけざま、唇が近づき、そのまま……。
 ………………。
 目を瞑ること数秒、繁華街の喧騒も耳に及ばず、そのアルコールくさい柔らかさに酔いしれる。
「んふぅ……、さ、いこっか……」
「は、はい……」
 先ほどまでおんぶを強要しておきながら、ふらふらとした足取りで先を行こうとする良子に、武彦は本日二度目の大失敗をしてしまったと後悔する。
 こちらは偶然の事故でもあり、お互い酔っ払ってのことと、安易な言い訳で秘密にしようと誓うのであった。
 ただ、背後ではそれをつまらなそうに見ている影が、ため息を吐いたあと、逆方向へと走り去っていった……。


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