枯れ落ちる葉、朱に染まる紅葉-41
「いや、やめ、あ、ん、やめ、やめてくだ……あっ、あぁ……あぅ!」
甲高い声を上げたあと、続くじょぼぼぼ……。
さつきは目をぐっと瞑り、自由な手は耳を塞ぐことに使っていた。
――いやだ、見られてる。おしっこしてるところ、見られてる。こんな奴に、最悪だよ。助けてよ、武彦……。
心中、恋人の名前を叫ぶも、彼は今頃夢の中だろうか?
数十秒といえる排尿行為が終ったあとも、さつきはぐったりとなり、そのまま動かなかった。
「さつきちゃん、どいてよ、俺がおしっこできないじゃん」
「…………」
両の目から涙がこぼれるさつき。たまに鼻をすするだけで、夏雄の呼びかけには聞こえているのに応える気が無いようだった。
「俺さあ、白いおしっこしたいんだよね……、さつきちゃん、手伝ってくれる?」
「……え?」
がちゃがちゃとベルトが外され、ぽろんと大きな男性器が顔を出す。
ツンとしたアンモニア臭さとグロテスクな形。かつてみたことがある父のそれと比べても一回り大きなそれに、さつきは目を丸くする。
「ほら、握ってよ……」
「え? え?」
戸惑っている隙に手を取られ、むりやりそれを握らせられる。
先ほど触った背中よりもずっと熱い、ずんずんと脈打つそれに、さつきは嫌悪感と同時に妙な好奇心を持ってしまう。
――男の人のってこんなんなんだ……。
それが場違いな感想であるのはわかっている。けれど、アルコールが残り、さらに排尿行為を見られたことでの混乱のせいか、さつきは冷静でいようとはしなかった。
全てが悪い夢である。そう思い込むためだった。
「ほら、さすって、武彦のだと思って……」
たどたどしく手を上下させる。先っぽから滲む汁が人差し指にたれ、ねちゃりと嫌な粘り気を出す。
それが心地悪いせいか、あまり手を動かさないで居ると、夏雄はその手をどかす。
飽きたのだろうかと安堵するさつきだが、後頭部をぐっと捕まれ、そのまま唇めがけて陰茎が突き立てられ……、
「え!? んぐぐぅ!? ぐぅ……」
小便臭く、しょっぱいものが口に無理やり押し込められる。
「おお、さつきちゃんのお口マンコ、あったけー」
夏雄の歓喜の声が聞こえるが、さつきにとってはそれどころではない。
「んぐぅ! ぐぐぅ! へぶぅ! くはぁ……」
なんとか口を離すも、夏雄はそれを許さず、またも口淫を要求してくる。よだれが、陰茎の先から出る粘液と混じってスカートを汚す。
今朝洗ったばかりのそれが、大切な制服が、淫水で汚れていくことは悲しいこと。
再び涙がこぼれたところで、頭を掴む手が離れる。そして陰茎も抜かれ、唇に名残惜しそうに糸を引いていた。
「もう、やめ……」
これで終わりだろうとほっとするさつきだが、彼の言う白いおしっこはまだ出されていないことに気付く。
「おら、そっち向け!」
いきなり荒々しい言葉遣いになる夏雄に怯えたさつきは、いわれるままに便座のほうを向いてしまう。
夏雄は機嫌よさそうに鼻を鳴らした後、さらけ出されたお尻に唇を這わせる。
「嫌!」
ぞくぞくっとした感覚がさつきに走る。かといって逃げ場もなく、便座にしがみつくのみ。
「まったく……、手コキはダメ、フェラも下手。しょうがねえから、こっちの穴つかってやるよ……」
「穴? 穴って……」
「マンコだよ、マンコ……。お前にちょっくら精液便所になってもらうわ」
「や、精液便所って、何考えてるんですか!」
夏雄のたくらみに気付いたさつきは慌てて振り向くが、背中を押さえつけられ、それも出来ない。
「ああん!? お前のクソ彼氏に殴られたところが痛てえんだよ! お前も彼女なら、責任とれ、責任をよぉ!」
「な、責任って、そんなの先輩がセクハラするから……」
「ああん!?」
声を荒げられるたびに足がすくむ。
しゃがみこむさつきの割れ目にぐぐっと指が三本差し込まれ、そのまま持ち上げられる。