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枯れ落ちる葉、朱に染まる紅葉
【レイプ 官能小説】

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枯れ落ちる葉、朱に染まる紅葉-30

「ん〜、なんとかしないとなぁ……、どうする、買ってくる?」
「近くにあるの?」
「ホームセンターぐらいはあったと思う」
「じゃあ……」
「でもこれがなぁ……」
 紀一はビールを振る。
 二年は全員乾杯をしており、運転を推奨できる状態でもない。
「しゃあない、ちょっくら……」
「ダメだよ。もし警察とかいたら……」
「でも、どうしよ……」
「どうかしたのか?」
「あ、船岡先輩、実は炭を買いに行こうと思うんですけど、皆これで……」
 智之が申し訳なさそうにビールを掲げると、克也はやれやれといった様子で手をだす。
「鍵。俺が行ってくるよ」
「ええ、いいんですか? それなら私も……」
「さつきは行かなくていいだろ」
 武彦はさつきの腕を取り、険しい表情になる。
「でも、私がちゃんと準備してなかったからいけないんだよ。せめてこれぐらい、手伝わないと……」
「お前はいかなくていいよ。俺が行くから……」
「だって……」
「別について来なくていんだが……」
 智之から鍵を受け取る克也だが、武彦がそれを奪う。
「おい、さすがに飲酒運転を看過するほど人はできてないぞ?」
 克也も後輩の行動をたしなめる。だが、武彦は強く睨み返し、無言のままだ。
「お、おい、武彦、どうしたんだ? なんかあったのか?」
 事情をつかめない紀一は二人の間に入ろうとするが、武彦は無言でそれを押し返す。
「なんだなんだ? どうかしたのか?」
 今度は夏雄と良子がやってくる。ようやく焼けたらしい肉を頬張りながら、上機嫌の良子は、やはりウイスキーを呷っている。
「いや、炭を買いに行くことにしたんですけど、武彦と船岡先輩が……」
「ちっ……あぁ、まぁそうか……。なぁ武彦、気持ちはわかるけど、そういうのはよくないぞ? さつきちゃんだって責任取りたいわけだし、そういうのは汲んでやれよ」
「なんだよ、だったら二人とも来るか?」
 武彦の反対理由が嫉妬めいたものと気付いた克也は、鼻で笑いながら伝える。
「船岡先輩に手伝ってもらう必要なんて無いです!」
 それを挑発と受け取った武彦は、きっぱりと言い切る。
「おいおい、それじゃ食いはぐれるっての……じゃあこうしよう。俺が行ってくる。それでどうだ? それなら文句ないだろ?」
 夏雄が新たな選択肢を提案する。彼もアルコールを取っているのではとコップを見ると、中にはウーロン茶が入っている。
「大丈夫、飲酒運転はしないから」
「な、なぁ、武彦、三谷先輩ならいいだろ? な、な」
 紀一としてはこれ以上駄々をこねてもらいたくないらしく、強い口調で言い寄る。
「それなら……わかりました……」
「ねぇ、武彦、あたしも行っていいかな?」
「勝手にしろよ……」
 おそるおそる尋ねるさつきに、武彦はいらだたしげに告げると、飲み終えた缶ビールを握りつぶし、ゴミ袋に叩き込む。
「おいおい、武彦も来ればいいじゃないか?」
 夏雄がそう言うも、武彦は二本目のビールを求めてクーラボックスをあける。
「ほっときましょう。明日には機嫌も直るでしょうし……」
 智之は無責任にそう言うと、鍵を夏雄に渡した……。

 火力の低いバーベキューをもたせようと、紀一は倉庫にあったギターを手に、「今日の日はさようなら」を弾き語りする。
 徐々に野外活動へと変遷する合宿だが、中学生の頃の懐かしさを思い出した部員たちはまんざらでもない様子で合唱する。
 その間も武彦は一人つまらなそうにスルメを噛み、克也を見ていた。
 彼もその視線を面倒そうにしており、思い出しようにため息をついていた。
 そろそろ炭が消えかけそうになったころ、車の音が聞こえる。
 さつき達が帰ってきたことに気付いた部員達は、「肉が食えるぞ〜」と喜んでいたが、ばつのわるい武彦はそれを待たず、「頭を冷やしてくると」風呂へ向かった……。


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