闇の中-1
「ここならゆっくりお話できるでしょ。」
それは社内旅行の夜だった。
私たちはお酒を飲んで酔っ払っている。
そこに入ると彼はいきなりキスをしながら浴衣の襟元に手をいれて感じるところをクリクリと弄りだしちゃった。
もう何だかわかんないけど、そのつもりでここに誘ったんだから私はとりあえずされるままに刺激を愉しんでいる。
ヒロ君とは普段から仲も良かったけど私の方がふたつ年上だし、今までずっと…
友達以上恋人未満。
付き合うというのも何だかって、そんな感じだった。
ところがバカバカしい宴会も終わって、友人の美智子たちは部長たちと飲み直しに行ってしまったけど、私はあんまり飲めない方だから上手く言って辞退した。
そこで酔いざましにもう一度温泉に浸かりに行ったら、傍らのゲームコーナーにいる彼の姿をみつけたのだった。
「どうしたのよ、こんなとこで?」
「ちょっとここで遊んでるうちにみんなどこかへ行ったみたい…
あいつら本当に行ったのかな。」
ひとりっきりで遊んでいる彼にほんの軽い気持ちで声をかけてそれから…
軽い気持ちでキスしちゃった。
ゲームコーナーは私たち以外に誰もいないし、この場所はクレーンゲームの陰で外から目立たない。
そうこうしてるうちに勢いづいてしまってヒロ君をここまで引っ張って来てしまった。
ここは旅館のお布団なんかを収納する物置で部屋の中は[ 山 ]の字形に棚が設けてあった。
予備のお布団が積み上げられている。
宴会の途中でオシッコしたくなったのだがあいにくトイレは満員…
オシッコって我慢してるうちはそうでもないんだけど、いざトイレに行って満員だったりするとなぜか急激な尿意に襲われてもう我慢できなくなっちゃう。
しかたないから私は一階に降りてきてトイレを探した。
こうなったら従業員用のトイレでも借りちゃえと思って、たまたま見つけたのがトイレの向かえにあった布団部屋だったのだ。
部屋の中は灯りがついていないからお互いの顔もよく分からない。
手探りだけど、それはそれでまた妙な興奮を覚えていた。
棚の中に二人、ちゃっかりと入り込んでしまって積み上げられたお布団に押し付けられ、私たちは今までと一線を越えた大人の関係に夢中になっていた。
棚というのは木製の簡単なもので二段になっていて、床板は湿気を防ぐためスノコになっていて、このままではお尻が痛いので一番上のお布団を引きずり下ろしクッションがわりにしたけれど、いっその事お布団を敷いてしまえばよかったかも…
狭いスペースに布団の山を背に半身起こした状態でついにアソコにまで手を突っ込まれてぐじゅぐじゅかき回されるのも気恥ずかしいものがあった。