闇の中-3
… … … …
「どうだった?」
「良かったわよ…」
私たちは暗闇に裸のままで並んで座っていた。
「工藤君たちはどこ行っちゃったの?」
「ストリップだって…」
「あぁ…なんか近くにあるって言ってたわね。
ヒロ君はどうして行かなかったの?」
「つまんないじゃん。
みんながいる前でそんなの見るって苦手だなぁ。」
「何だかわかるわ…
見てる顔を見られてると思うのが恥ずかしいもんね。」
「見た事あるの?」
「ないわよ…まさか。
でも、満智子のとこで時々弟の隠しているアダルトの上映会してるみたい…」
「へぇ…女のAV大会か…
何だかちょっと怖いなぁ。」
「私のストリップはどうだった?」
「真っ暗で見えないよ。」
「見たい?」
そんなくだらない話をしていると奥の方から誰かが来て声をかけた。
「あの…もしよければ交換してみませんか?」
スワッピング!?
いきなり?
私たちはうす暗くてよく見えないけど顔を見合わせていたら
「もし、よければですけど…」
男はそうつけ加えた。
「私は…いいわよ。」
半分は本気じゃなかった。
ヒロ君が私に対してどう思っているのか探ってみたかったというのが本当の答えだったんだけど…
それじゃあという事でヒロ君が奥の女の人の所に、私はその男性と抱き合う事になった。
知らない人だけど、なぜか同じ場所で同じ事をしていたからか…奇妙な親近感みたいなのがあった。
知らない人だからできたのかも知れない。