Last Magic-5
「俺、ミナミのこと好きやから。それも考えといて」
思わずもう一度聞きたくなる言葉を残して、教室のドアは閉められた。
パタパタパタ……。
いつも…と違う足音。
私の口元は自然と緩む。
月9を狙えそうなロマンチックな展開だ。
ふと、アズマの落書きに目をやった。
Last Magic
おしゃれな書体で書かれていた。
アピール文の締めはそれにしよう。
数分後。
パタン…パタン…とあの足音が聞こえてくる。
トクン…トクン…と私の鼓動も連鎖する。
ドアが開いたなら…どんな顔をしようか。
言う言葉はもう決まってる。
「私も好き」
END