君を守っていきたいです。-4
「健吾って呼んでいい?」
「……ああ……」
やっと絞り出した震える俺の声…
ふいに俺の頭は鈴香ちゃんの腕の中に包まれ、小さな肩に置かれた。
「俺はあんたを汚してね?」
「何言ってるの?私はあなたのおかげで学校を辞めるのをやめたの」
―え…
「つまらなかった。親の言う通りの学校に入って、でもあの日あなたに逢って世界が楽しくなった。灰色だった世界にきれいな色がついたみたいに…」
―……
「俺といて恥ずかしくね?」
「何言ってるの?そうやって自分より私を大切にしてくれるあなたの隣にいると誇らしい気持ちになるの」
―………
嬉しすぎて俺の涙は止まらない。
鈴香ちゃんの服を濡らすのがちょっと気になったけど、居心地がよくて黙っていた。
こんな俺を好きだと言ってくれた…君には一番ふさわしくない俺を…
さっき俺は“守る”なんてかっこいいこと言ったけど、本当は君が俺を守ってる…今までも、今も、きっとこれからも…だけど悔しいから絶対教えてやらないんだ…