登下校を、御一緒に。-15
佐伯くんが、固まった。
あたしは、浅く呼吸して、痛みに耐える。
佐伯くんは、だいぶ経ってから口を開いた。
「……え？」
「…あたしっ！
…い、ら…っく…淫乱、なんかじゃ…な…もんっ…！
っく…処女、だった、もんっ…ぅうっ…
あたしは！
…佐伯くんが、好きなんだもん！」
「…伊藤…！」
わずかに右を向くあたしの左頬に手を当て、佐伯くんは自分の方へ向かせる。
「…ホントか？」
あたしの目を、じっと覗いて訊く。
…こくん 頷く。
「今でも？」
…こくん
「こんな…ヒドいこと…しちまっても…？」
………こくん
すると、佐伯くんは、ちょっと目を見開いてから…ニカッ、と笑って言った。
「…マジかよ…やっぱ…お前ってマゾだなっ！」
そして、あたしに、ちゅっ、とキスをして、動き出した。
「んんっ！…んぁっ…はぁん…あぁっ…ぁあん…」
「伊藤…大丈夫か？もう痛くないか…？
…はぁっ…結衣…好きだ…」
「あたしも…好き…だよっ、佐伯くん…
はぁん…！あぁっきもちぃっ…！」
「結衣っ…」
「んぅっ！…ぁむ…」
佐伯くんの唇が、舌が、あたしの口を犯す。
「結衣…お前のアソコ…すげぇよ…
ぬるぬるで…締め付けてくる…」
一度くちびるが離れ、触れる寸前で囁かれる。
「っやぁ！…恥ずかし、よぉっ…そんなこと言わな…でっ…」
ふっ、と笑われて、あたしの濡れたくちびるに、空気が当たった。
「何言ってんだよ、伊藤…もっと締め付けてきてんぞ…くっ…
マゾでも…結衣…好きだ…かわいいよ…」
佐伯くんから与えられるいやらしい言葉は、あたしを酔わせ、初めての絶頂の予感に、甘い声を漏らしていた。
「…ふあぁん！はぅんっ、イッちゃう…
佐伯く…あたし…イッちゃうよぉ！はぁん！」
「…くっ、結衣っ！
オレもっ…イきそうだ…っ！
…好きだっ、結衣っ…！…っっ！！」
「ぁっ、やっ、イくぅっ！
佐伯く…んぁあーーっっ！！！」
…余韻にカラダが震え、力が抜けていく。
あたしは壁に身を預け、背中で体温を感じながら息を整えようとした。
佐伯くんも、あたしを抱き締めて支えてくれながら、大きく息を吐いている。
「…伊藤。
あの…今更だけど、ちゃんと、ゴム、したからな？
…生じゃないから…安心して」
…ゴム…してくれてたんだ…あんな時だったのに…。