生徒会へようこそ【MISSION4:幽霊の謎を解明せよ!】-2
「どこで見たのだ。寿絵瑠に詳しく話してみろ!」
うわぁ、宝さんやる気になっちゃってるよぉぉ。
オッさんはもう机の上に横になってるし、小鞠さんはキミさんのパソコンを覗いて、何かを話している。
みんな、完っ全に興味無くしちゃってんじゃん!
「宝さん…信じてくれんのか?」
「ああ。寿絵瑠は生徒全員の味方だ」
「僕も話聞くよ」
「ユン〜〜〜!」
僕はというと、特にやることも無いので紅の話を聞いてやることにした。
「幽霊を見たのは今日の数学の時間だ」
となると、1時間目か。ちなみにうちのクラスの数学担当は渡邊先生。担任だからね。
「たぶん俺以外気付いて無いと思う…みんな、集中してたから…」
…おい。お前は何をしてたんだ。
「何か途中で急にやる気無くして窓の外をぼーっと眺めてたんだ。そしたらちょうど向かい側の校舎に人が一人立ってるのを見つけて…」
僕らのクラスのちょうど向かい側の校舎か…。
「最初は対して気にもしなかったんだけど、考えれば考える程おかしくて…」
「それはそうだな。授業中になぜそんな所にいるのだろう」
確かに宝さんの言う通りなんだけど…でも。
「俺、もう少し良く見てみたんだ。女子だった。うちの制服着た女子が、怨めしげに立ってて…俺怖くて怖くて…」
「何ですぐ僕に言わなかったの?」
「クラスでお前に言ったら俺がビビりなのバレんだろ!」
ああ、そうだ。こいつ、無駄にプライドが高いんだった。
幽霊とか妖怪とかお化けとか大嫌いなくせに周りに隠したがる。
「で、俺…怖くなって授業終わるまで机に突っ伏してたんだ。次に顔を上げた時にはその人はいなくなってた…」
ガチガチと歯を鳴らして、得体の知れない物に怯える紅。
「てかさ、何で幽霊だと思ったの。話聞く限り、完全に生徒じゃん」
「バカ!クリミナルバカ!お前、俺の視力舐めんなよ!女子なら100メートル離れた先の顔でもバッチリだぞ!」
何そのしょうもない能力…。しかも、何だよクリミナルって…!
「で、それがどうしたんだよ」
「バカ!ハピネスバカ!お前、俺の記憶力舐めんなよ!この学校の女子の顔は完っ璧に把握してんだぞ!」
キモイ、キモ過ぎる。んでハピネスって何!
呆れる僕とは対象的に、紅と宝さんは真剣そのもの。
次第に紅の顔色が青ざめて行くのが分かった。