生徒会へようこそ【MISSION4:幽霊の謎を解明せよ!】-13
「いやね、5組は数学だったんだと。1組と5組と7組の数学は渡邊先生じゃん?
奴が出た瞬間、教室中が騒がしくなったらしいんだよ。で、俺に教えてくれた奴が旧校舎に確かめに行こうとしたんだって。そしたら渡邊先生が『立つなっ!』て怒鳴ったらしい。あの渡邊先生がだぜ?一瞬で静かになったって。
その後は何事も無かったように、普通に授業再開だってよ」
怖くねぇのかよ!いっそのこと確かめさせろよ!
紅はああああっと頭を抑えて取り乱していた。
「確かめられたくなかったんじゃないの?」
え?
僕は何気なく発した自分の言葉に違和感を覚えた。
確かめられたくなかった?何を?
まさか…渡邊先生は…。
そうだ!
僕は時間割表とメモを交互に見比べた。今までとは違う見方をした。
すると、見えた。
幽霊の現れた時間に共通するものが…。
「知らねーよ!もう怖えよ!生殺し状態なんだよ!」
「紅くーん!」
「ぅお!?な、何?」
クラスの女子が紅に駆け寄ってきた。
慌てふためいていた紅は一瞬でいつもの笑顔を貼り付けた。若干引きつっているけど。
「あのね、委員会のことなんだけど。今日の放課後食堂に集まるんだって。さっき副委員長が言ってた。…て、あれ?あんた、いつからいたの?」
その女子は僕を見下ろして不思議な顔をする。
最初っからいたけどね!!君がここにくる遥か前からいたけどね!!
「お、おお。ありがとな!」
「紅くんてこの人と仲良かったんだね。何の話してたの?」
口を開けば開くほど失礼な女子だ。その旨を伝えられたらいいのに、僕は愛想笑いしか出来ない。
「あ、あの…ですね、紅とは最近話題の」
「あーっ、あれだ!ユンの委員会のことだ!」
話題ずらしやがった。生徒委員会のことなんて、これっぽっちも話してないじゃないか。
「ところでユン、お前の委員会の副委員長は誰になるんだ!?」
「は?」
副委員長?聞き慣れない単語に一瞬面食らった。
「あの小さい金髪の人が委員長だろ!?小鞠さんの隣の眼鏡はネクタイの色が2年生だったし!」
今まで考えたこともなかった。
確かに他の委員会には、委員長と委員長をサポートする副委員長が一人ずつ存在している。
ウチには、いない。