龍之介・壱-8
「見て、龍くんとしたいよぉって、パクパクしてるよ・・・」
こんなに淫らないやらしい姉さんは、きっと今夜しか見せてくれない・・・
俺を受け入れてくれるのは、この先もう二度と無いんだ。
姉さんの入り口に先端を当てて、くちゅくちゅとなぞる。
「葵、いくぞ。中に、入れるからな」
「うん・・・来てぇ。龍くん・・・」
最初は抵抗があったが、膣内はすぐにほぐれていき、俺自身を飲み込んでいった。
痛みはあまり感じていないみたいで、根元まで挿入し終わった時はうっすら微笑んでいた。
「もっとこっちに来て。近くに、私の傍に」
誘ってくるが、これ以上近づきようがない。何を言ってるんだ。
待てよ・・・繋がってはいるが、もっと身体は密着出来るんじゃないかな。
「近くに来てってば。龍くん」
姉さんは更に手招きして誘うのを続ける。
わかった、そういう事か。近くにっていうのは
「んんっ・・・そう、分かってくれたね」
体を倒して仰向けの姉さんにかぶさり、抱き締めた。
ずっと・・・こうしてほしかったんだよな?ようやく分かったよ、姉さんの気持ちが。
「あっ!あっ!あっ!」
腰を打ち付け、姉さんの膣内を擦り付けていく。
卑猥な粘着質の音が夜の部屋に響いて喘ぎ声と重なっていった。
回数を重ねるごとに、姉さんの腰に回した腕の力が強くなっていくのが分かった。
(ずっとこうしていたい。姉さんを抱き締めていたい、俺が姉さんを・・・)
「あっ!あっあっ!あっあっあっ!あっあっあっ、あっあっ!」
姉さんの手が背中に食い込み、足が腰の辺りに巻き付いてくる。
互いを抱き締めながら肌と肌を擦り付け、求め合った。
ずっと俺から一方的だったから、こうして姉さんと共に高まるのは初めて味わう感覚だった。
「龍くん・・・好きだよ、お姉ちゃん・・・龍くんのこと、愛してるよ・・・」
「葵・・・・・・嬉しい。愛してる・・・」
最早、その言葉は意味の無いものだった。
姉さんは俺じゃなく他人の物になってしまう事が現実になった後では・・・
それでも、今だけは姉さんは俺の物だ。
「あんっ!あんあんっ、あぁあんっあんあんっ!あんあんっあんあんっ!!」
「葵っ、葵・・・姉さん、姉さぁあん・・・」
姉さんの絡み付いてくる柔らかい肉が、たまらなく愛しい。
背中に立てられた爪の痛みも、腰を締めあげる足の強さも、顔にかかる息も、全てを誰にも譲りたくなかった−