君の瞳に恋してる・W-2
海が歩けないので海辺に近いところにレジャーシートを敷いて、パラソルを設置した。
太陽がさんさんと照っていて、大人も子供も海に入ってはしゃいでいる。
「すっごい熱いね〜。これじゃ日焼けしちゃうな。先生は日焼け止め塗った?」
海はパラソルの影にちょこんと座り、バッグの中を漁った。
加持は海の隣に腰掛けた。
「あ、塗ってないです」
男はそういうことにあまり頓着しない。
「ダメだよ〜!皮膚ガンになるよ!!ほら、塗るからこっち向いて」
見ると片手でカチャカチャと日焼け止めの容器を振りながら、もう一方の手で眼鏡を奪われた。
「海なんだからいらないでしょ?」
間近から瞳を覗き込まれた。
「やっぱ外だと先生の瞳よく見える。綺麗だねぇ」
「そんなこと…」
照れくさくて顔の温度が上昇した気がする。
熱いから気づかれないよな?
「塗るから目つぶって?」
言われた通りに目を閉じて海に任せる。
顔に一気に日焼け止めを塗られて、独特な臭いが鼻をつく。
一瞬海の手が止まり、両頬を包まれた。
ちゅ
「!?」
唇に柔らかい感触。
「ハイ、顔は終わり〜。次は身体ね」
「ちょっ、今、キスしました?!」
きょろきょろ辺りを見渡したが、幸いにもこちらを見ていいる人はいないようだ。
「だって、先生必死に目つぶって可愛かったんだもん。したい時にするって先生も言ったじゃん。一応見られてないか確認したよ?」
上目遣いで口を尖らせる海。
可愛くて、それ以上小言を言うのはやめた。
「もうイイですよ。それより早く塗って入りましょう」
「うん!」
手早く日焼け止めを塗って、二人で海に出た。