憧れの人-1
私は橘由里高校2年生
私には好きな人がいる。
その人は背が高くて
頭がよくて
優しい人。
家が隣同士で小さい頃から仲良くて一つ年上だから私のお兄ちゃんみたいな存在。
でも、お兄ちゃんには彼女がいる。
美人でスタイル抜群の彼女が…
もう諦めるしかないのかな?
そんな事を思っていたある日−
私は同じクラスの哲也君に告白された。
哲也君とはクラスの男の子の中で一番仲が良かった。
「由里の事が好きだ。付き合って下さい、返事は気持ちがまとまったら聞かせてくれればいいから…」それだけ言って哲也君は去っていった。
「どうしよう…」
哲也君の事は好きだけど…
それは恋愛じゃなくて友達として
帰り道を歩いていると
後ろから声を掛けられた。
「由里ちゃん」
「あっ!お兄ちゃん」
こんな時にお兄ちゃんに会うなんて…
「今帰りなの?」
「うん」
「久しぶりに一緒に帰ろう。」
「…うん」
「由里ちゃん何かあったの?」
「えっ!?」
「元気がないから」
「そうかな、元気だよ!」
私はニッコリ笑ってみせた。
「そっか…何か悩んでる事があったら相談に乗るからな」
お兄ちゃんが私の頭を撫でた。
お兄ちゃん…
そんなに優しくてされたら、甘えたくなる
「お兄ちゃん…小さい頃によく遊んでた公園に行こう。」
「いいよ。」
私はお兄ちゃんの手を取り公園に向かった。
公園にはベンチとブランコと砂場しかない。
「変わらないね」
私はブランコに乗った。
お兄ちゃんが私の背中を押してくれる。
「よくお兄ちゃんに押してもらってたよね」
「懐かしいな。いつの間にか由里ちゃんはこんなに大きくなって」
「一つしか違わないのに」
私はお兄ちゃんを見上げた。
「お兄ちゃん…一つだけお願い聞いてくれる?」
「お願い?」
「うん。私のお兄ちゃんにする最後のお願い」
「何?」
お兄ちゃんは私の前に来て目線を合わせた。
「私と……エッチして」
「えっ…」
お兄ちゃんは目を丸くした。
「お願い」
私はお兄ちゃんに抱き着いた。
「由里ちゃん…」
「お兄ちゃんの事が好きなの…一度でいいから抱いて、そしたら私お兄ちゃんの事諦められるから…」「……」
お兄ちゃんは返事の代わりにそっとキスをしてくれた。