『君と、はじめて。』-9
「あッ…それ最高に気持ちいい…」
―こんな技もあるんだ。
何十分過ぎただろう。
私を仰向けに倒して、尚哉さんが腰を動かし始めた。
最初はゆっくり、だんだん早くなる。
「あっ…あうっ…ひゃあっ…!」
尚哉さんの呼吸も荒くなる。だんだん乱暴に、腰が前後して突き上げられる。
「…んっ…あっあっ、イクッ…」
プツリと動きが止まって、洗い呼吸だけがきこえる。そして、目を閉じて、尚哉さんが長く息を吐き出す。
「…イッちゃった?」
「…たっぷりとね」
惜しむようにして、そっと抜き出す。抜き終わった時に小さい、小さい火花が頭の中で、散ったような気がした。
尚哉さんが私の髪をそっと撫でる。
「疲れた?だるくない?」
「初めてだったから、ちょっと疲れたかな?」
頭の中がちょっとまどろんでいる。
「私は、尚哉さんにあの夜に大好きって言われて…まだ…好きって言ってなかったよね…尚哉さんのこと…とてもと…ても大好きです。私のバージンを奪ってくれた相手が尚哉さんで…よかっ…た」
頑張って言うと、睡魔に襲われて…しばらくして寝息が聴こえはじめる。
美優の髪を撫でていた尚哉の手も止まり、そのまま二人で眠った。
肩口から冷たい空気が入り込んで、痛くて目が覚めた。
「霜が降りたかな…」
美優はどこに行った?
足元を見ると、毛布の下の方が膨らんでる。
―とても、気持ち良くて。
そっと上半身を上げて、毛布をバサッと捲りあげた。
美優が、ペ〇スをしゃぶっている。猫のようにしなやかに腰を反らせて。
「朝勃ち…昨日うまくできなくて…でね…えっと、練習してたのね」
なんだか、おもしろくて、可愛くて…短い髪をくしゃくしゃに撫でてあげた。
「裸で恥ずかしくないの?昨日さんざん『恥ずかしい』連発していて?」
うふふ、と笑うと犬のように顔を寄せてくる。
「…恥ずかしくないもん。尚哉さんが、美優の全部を大好きだよって言ってくれていたから」
その顔が可愛くて、軽くデコピンする。そのままじゃれあってて…最後は毛布にくるまって…眠りに落ちる。