『君と、はじめて。』-6
「美優、どうしたの?」
下を向いて、またポツリと言う。
「………尚哉さんを…イカせたい。イって気持ちよくなってもらいたい」
顎を指にのせて…クッと顔を上げた。
「下向かない。美優の、いけないクセ。」
そういって、キスをした。
「でも、私、イカせ方分かんない。というか、尚哉さんに気持ちよくなってもらえる?」
「イカせ方を、教えて」
―教えてだなんて、意地悪っていった美優も、意地悪。難しいのに、教えるの。
甘えた目で見られると、断れない。
「キスしてから、そっといろんなところを舐める…というか、しゃぶる…その時の反応をよく見ておくんだ」
腕をとって、腕を舐める。
「相手の表情が、変わったり、声出したりするところが、相手が一番感じるところ…弱点か」
左手の親指を舐め始めた。
「顔を見せて」
慣れてきて、視線をそらさない。舌を這わせて、人差し指をくわえた。上目使いで俺を見る。
「すごく、エロい表情(顔)してる」
ちょっと嫌な顔をして、指を加えるのをやめてしまった。
「誉め言葉だよ。続けて」
「男って、基本エッチなんだ。だから、やっている時の『もうイク〜』って言う顔やに仕草にぐっとくるんだ。普通にしている時と、やっている時で、がらりと顔を変わる人とかいるんだけど、そういうの見たら萌えてしまう」
目を瞑って、しばらく美優を感じることにした。視覚以外の感覚を使ってたくさんたくさん、美優を感じる。
顔に胸を埋めてそっと抱かれる。
―美優の鼓動が聞こえる。すごくすごく温かい。赤ちゃんに戻ったような感覚にほっとなる。
指が唇に触れて、キスをする。美優の舌が入ってくる。すかさず、美優の口に舌を滑り入れる。
「…うっ……」
耳たぶを甘噛みされた。もう片方の耳は、塞がれている。思わず、声を漏らす。
今度は…
「ひゃっ…あっ…!」
間抜けな言葉を漏らしてしまった。
「耳朶はさっきやられたから、お返し。」
そのまま耳朶を…今度は唾液の音をたててしゃぶる。