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「もう終わりにしよう」
あなたにそう言われて
あたしはただ頷く事しかできないと思った
いつだって潔いあなたの前で
泣いたり、引き止めたりはできないと思った
いつだって自信を持っているあなたに
置いていかれないためにあたしは
背伸びをしすぎてただの従順な女になってたのかもしれない
不安な事なんてきっと何もないあなたに
あたしはいつも不安を感じてた
いつかあたしの元を去ってしまうと・・
だから
「そうだね・・わかった・・」
それしか言ってはいけない気がした
去っていくあなたに背を向けて歩き出そうとした
だけど
「ねぇ、待って・・!やっぱり嫌だよ・・だって好きだもん!!」
あたしは振り返ってあなたに向かって叫んだ
想いが伝わるように、祈りながら
そしてあなたが振り返ると
あなたの瞳からは涙がこぼれていた
そしてあなたは笑った
あなたも不安だったんだね
私と同じように
でもこれからはきっと
二人の不安も一緒に解決していけるね
全ての想いが伝わるように
あたしたちはつよく抱きしめあった