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〈蠢く瞳〉
【鬼畜 官能小説】

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〈蠢く瞳・其の二〉-1

次の日の朝。

有海は殆ど眠れなかった。夏帆に連絡を取ろうにも、携帯電話を持っているわけでもなく、夏帆の自宅の電話番号も知らない……心配と不安だけが大きくなっていき、気分はどんどん重くなっていく。
それでも時間は有海を待たず、練習は始まる。
一人遅れて更衣室に駆け込み、ユニホームに着替えてコートへと駆けた。
そこには、もう皆が整列を終え、田尻が何かを伝えているところだった。


『……選手は、砂川優子。今日からユニホームを着て練習だ』

『あ、ありがとうございます!!』


夏帆が選手から外され、他の一年部員が選ばれていた。
誰も冷たい視線を浴びせる事もなく、温かい拍手で祝福している……夏帆の時とはあまりにも違っていた。


有海(な、なんで……これじゃあんまりよ……)


悔し涙で、有海の瞳は潤んだ……腑に落ちぬ理由で夏帆は合宿から消え、たった一日練習に参加しなかっただけで選手から外される……そして、それを皆が喜んでいる……有海はもう、テニス部にやり甲斐を感じなくなっていた。


『棚瀬、砂川に教えてやってくれ。お前は教え方が上手いからな』

有海「……はい」


どうしても納得がいかない……だが、練習は始まったのだ。
夏帆の事は練習が終わったら聞こう………有海はどうにか気持ちを整理し、砂川の傍に向かった……。





『ンフフ……よく眠れたかな?』


あの分娩台の上で、屈辱の体位のまま夏帆は一晩を過ごした。
塗られた軟膏が効いたのだろうか、性器と肛門の痛みは殆どなく、僅かな違和感が残るだけだ。
ボールギャグは外され、頬に少し跡が残るだけ。
もう呼吸と言葉を妨げる物はない
泣き腫らした瞼はまだ治ってはいないが、それでも元の美しい顔に戻り始めていた。


『喉が渇いたろ?変な物は入ってない…ほら飲め』


ペットボトルのミネラルウォーターの蓋を夏帆の目の前で開け、そっと口の中へと流し込んだ……昨日から一滴の水も口にしていなかった夏帆は、朦朧としながらも、流し込まれる冷たい水の誘惑に負け、喉を鳴らして飲んだ。
死んだようにダルい身体に、飲み込んだ水が染み渡るのが分かる……死にたいほどの恥辱を受けたというのに、夏帆の身体は生きようと必死だった。



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