囚われからのプロローグ-9
「……んっ、くちゅる……ちゅ、…………ふふっ。『腑抜け』?『臆病者』?――なんだ、貴女は私に抱かれたかったんですか?」
「なっ?そ、そんなわけ……」
「ははっ、とんだ淫乱な聖騎士様ですね。捕虜となり、敵兵を誘うとは……」
「だから、違うと――きゃっ」
アリスの言葉が聞こえていないのか、パスクはニヤニヤと小馬鹿にしたように笑い、一方的にアリスをなじった。
『魔人』と字される青年の豹変にアリスは少なからず、恐怖を抱いていた。
もしかしたら、これがこの男の本性なのかもしれないが、だが、先ほどまでの慇懃な態度が演技だとも思えないのだ。
しかし、だからといって、パスクの中傷を受け入れることはできず、反論を試みたアリスだが、それは鎧の隙間から進入した手によって、簡単に阻まれてしまった。
鎧と言っても着ているのは女の身だ、上半身だけでも脇や腰の部分には男の腕が余裕に入るほどの隙間があるのである。
サワサワと下着越しに脇や胸元を撫でられたアリス。
経験のない彼女が悲鳴を漏らしてしまうのも仕方がないことである。
「ひっ……い、や……ちょっ、そこは――んんっ」
鎧越しでは分かりづらいが、アリスの胸は男の手の平からこぼれるほど豊満であった。
そして、感度も良い。
そんな乳房をパスクは左手で大きさを確かめるかのように揉むと、突然、その中心の突起を摘んだのだ。
下着越しだったため、痛いほどではないが、それでもアリスは顔を真っ赤にして、逃れようとする。
だが、パスクは右手で手枷を持ち上げ、アリスを吊り上げるようにして、身体の自由を奪っていた。
現在、アリスは膝立ちで、後ろからパスクに抱きしめられるように密着した格好である。
そのため、鎧を着けていない太股の裏にパスクの怒張したモノを否が応でも感じてしまう。
パスクもパスクで滾るソレをアリスへと無意識のうちに擦り付けていた。
左乳房と右太股に『雄』を感じるアリスは身体を震わせた。
口からは自然と悲鳴と嬌声とがブレンドされた呻き声が漏れる。