囚われからのプロローグ-38
「ひぃ、ああぁ、ぁぁっっ……」
――ドクンッ!ドクッ……ドクッ……
「ぁ、ぁぁ、あぁぁあぁ、ぱ――ぱすくぅぅうぅぅぅっ!イっちゃうぅぅっっ!!」
アリスはパスクを目一杯、渾身の力で抱きしめ、達した。
パスクのソレが跳ねるの合わせ、アリスの身体は痙攣する。
その精の放出は、まるで十三年分の思いを吐き出すかのように続いた。
「…………パスクぅ」
「――はい?」
「私も、愛してるからな……」
「――はい」
繋がったまま、見つめ合った『魔人』と『女聖騎士』はどちらからともなく、唇を重ねた。
この十数年後、大陸中の吟遊詩人が謡い、劇場がこぞって公演する英雄譚がある。
――『魔人』と『女聖騎士』。
今日、この時。
ラクシエラ大陸全土を舞台としたその物語の序章に立っていることをアリスもパスクも、知る由がなかった。