囚われからのプロローグ-24
「あ、の……勘違いで、あったらすみません。殴るなり、罵るなりしてください。それは、もしかして……こ、告白と受け取っても?」
おそるおそると訊ねるパスクをアリスは頬の紅潮を感じながらも、睨んだ。
――答えられるわけがない。
答えられるわけがないではないかっ!
仕方がなく――仕方なく、仕方なくである――アリスは再び、唇を重ねることで肯定の意を伝えた。
パスクはまた、驚いたようだったが、今度はすぐにめを瞑り、その接吻に応えた。
「んっ……ふぅ、ぁむ……れろ…………ん、んん〜……」
「ん、く……ちゅ、ぷ……んちゅ……」
ピチャピチャと室内に二つの粘性の液体が絡み、混ざり合う音が響く。
パスクはアリスを強く抱きしめ、ベッドへと優しく押し倒した。
その間も唇を離そうとは二人共、しなかった。
「くちゅ、る…………、…………い、いいんですね?もう、止めろと言われても……」
「へ、平気だ。騎士に二言はないっ」
「……はい」
パスクはフイッと赤い顔を背けたアリスへと嬉しそうに微笑んだ。
彼の中でアリスはすべてだった。
魔術を励んだ理由も、危険な一番槍を自ら申し出たのも、あらゆる褒賞を蹴ったのも、すべてアリスが根源にあった。
そんな彼女と交われるのだ。
先ほどとは違い、相手も受け入れてくれている。
――こんなに嬉しいことはない。