囚われからのプロローグ-12
――くちゅり
「はぁんっ!」
パスクが赤子のようにアリスの右乳房に顔を埋め、その先端の突起を口に含む。
アリスは目を見開き、嬌声をあげた。
直後、自身の発した淫猥な叫びに青くなったが、もう遅い。
「くくっ……」
「な、なにが、おかしいぃっ?ひ、んっ……ああっ!」
嘲笑を漏らしたパスクへとアリスは食ってかかろうと口を開いた。
しかし、その台詞半ばに空いた乳房へパスクは左手を這わせ、口内の突起へと刺激を与える。
口を閉ざせば、まだ、我慢できただろうが、喋ろうとしていた時だ、アリスは快感に悲鳴を抑えることはできなかった。
「ひ、ぅ、あ、ぁあ、んっ、ぐぅ、ああっ、んはぁ、か、ひぃ……」
「喜んでいただけたようで……んちゅ、ぷ、は……なにより。ならば、こういうのは?――ッ!」
「はっ、はうぅぅんんっ!?」
パスクは楽しげに――心底、楽しげに笑うと突起へと軽く、歯を立てた。
それは、今までとは違い、若干の恐怖を伴う行為である。
アリスは不安に身を強張らせ、直後、襲ってきた段違いの快楽に仰け反った。
「ふふふっ……そんなに、良かったですか?被虐体質なので?」
「違う、違う違うちがうぅぅぅっっ!」
首を振って、必死に否定するアリスをパスクはコロコロと嗤った。
そして、蹂躙を再開する。
不規則に、タイミングをずらし、アリスが予期できぬタイミングで、乳房を、乳首を揉み、摘み、舐め、噛んだ。
そのたびに唾液に濡れた双房は卑猥に形を変え、先端は痛いまでに赤く勃起していた。
ジンジンと脳髄は痺れ、アリスの意識はわけの分からない、津波のような大きなナニかに飲まれ、翻弄される。
だが、その内に頭の中で何かが光った。
その光はどんどん、大きく、強くなっていく。
アリスはその未知に感覚に怯え、思わず悲鳴を発した。