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〈蠢く瞳〉
【鬼畜 官能小説】

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〈蠢く瞳〉-1

町外れの、小高い山の中腹にそびえる白い建物。
大きな体育館とテニスコートを二面備え、そのコートを囲むように、二階建ての宿泊施設と別棟の三階建ての塔が建っている。
立派な大きさを誇る施設で、付近の小中学校や高校のクラブで合宿などに使われていた。だが、他校を交えた利用はされてはいなかった。
常に一つの学校だけが施設を利用し、入れ代わるように別の学校の生徒が利用する。
その、あまり交流のない生徒達の間に、ある共通の噂話がこの施設にはあった。


[どこからか悲鳴が聞こえる]

[誰もいない部屋に明かりが点いた]

[昔、幽霊に連れ去られた女の子がいた]


有りがちな怪談話のネタにされている、煤けた外壁のスポーツセンターの一室に、数人の男達の姿があった。
白壁の、こじんまりとした部屋の中にパイプ椅子を並べ、タバコを吹かして話し合っていた。
春の日は短く、もう外は真っ暗闇。
施設の二階の部屋から、蛍光灯の黄色い明かりが窓から漏れていた。



『ククク……今年は“イイ娘”が入りましたよ』


眼鏡を掛けた30代くらいの男が、一枚の写真を取り出し、隣の男に手渡した。
受け取ったのは白髪混じりの50代くらいの、いわゆるオヤジであった。
他の男達も、年齢的には大差のない普通のオヤジ達だった。


『ほぉ……田尻先生…コレは可愛い……』

『久々の《当たり》ですな!』


写真の美少女に男達の顔には生気が漲り、部屋の温度と湿気も上がったような錯覚を起こさせた。


『その娘の名前は井川夏帆。13才です。“私の”テニス部を選んでくれましたよ』


田尻先生と呼ばれる眼鏡の男は、テニスの顧問としては優秀であった。
弱小だったテニス部を、何度も優勝まで導いた手腕を持っており、その腕を買われてこの中学校に呼ばれたのだった。
その厳しい練習に耐えられず、途中で退部する生徒も珍しい事ではなかったが、それでも入部する生徒は後を絶たなかった。
そんなテニス部に、写真の少女は入部したのだった。



『私の学校はダメでしたね……ブスだけでしたよ』

『田尻先生の生徒には負けますね。ソレにしましょう』


どうもその男達の中には、他の学校の教師も交じっているようだ。
“選んできた”入学写真を他の男達に手渡し、済まなそうに頭を掻いている。



『他の中学校の娘も見ましたが、今年はこの娘に決定ですね』


夏帆の写真を高く掲げると、男達は鼻息を荒くして拍手した。
つぶらな瞳、桃色の薄い唇、栗色のセミロングの髪、真っ白な肌……柔らかく優しい表情の美少女に、視線は完全に釘付けになっている。


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