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〈蠢く瞳〉
【鬼畜 官能小説】

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〈蠢く瞳〉-2

『……あまり無茶はしないで下さいよ、私の大切な生徒ですから……』


ニヤリと笑い、タバコに火を着けた。
その顔は、生徒を指導する聖職者のものではなく、ただの変質者そのもの……学校の誰も、田尻の裏の顔を知る者はいない。
無論、ここに集まった他の教師の裏の顔も………。




新入生の参加する、初めての部活動が始まった。

青のジャージを着た女子の犇めく部屋……女生徒の部屋とは思えぬ程に汗くさい、ロッカーと椅子だけが並ぶ殺風景な部屋に、新人の八人が先輩の前に整列させられた。


『どんな理由でテニス部を選んだのかな?』

優しい口調ではあるが、先輩の言葉に緊張気味に、一人の生徒が答えた。


『ここのテニス部は強いから、私も頑張りたくて入部しました』


初々しい言葉に先輩達は目を細め、優しく見つめていた。
新入部員はまだ緊張が解けないのか、額に汗を浮かべ、固まった表情のまま動けずにいた。
女子とは言え、やはり先輩は怖いもの。
視線は壁の一点を見詰めたまま、誰も微動だにしなかった。


『…あなた、まさかテニスウェア着た自分が可愛く見えるからって、それで入部したんじゃないでしょうね?』


突然、一人の先輩が夏帆の前に立ち、冷たい口調で嫉妬の含まれた言葉を吐きかけた……いわれのない先輩の言葉に、夏帆は少し怯んだ。
容姿に恵まれた同性というのは、やはり目障りなのだろう。
先輩達の視線が、一人の美少女に突き刺さった。


「ち、違います……私、そんな理由じゃ……」


しどろもどろになりながら、夏帆は俯いてしまった……先輩達が自分を嫌っている……そうとしか思えなかった。


『ユニホームはね、大会に出れる選手しか着れないの。チャラチャラした奴には一生着れないからね』


その言葉は妬みを強く含んでおり、歯向かう事の許されない夏帆を詰るものだ。
居心地の悪さに耐え切れず、更に俯いてしまう。


『これから練習始めるから、新入生は玉拾いだよ』


先輩達はコートに駆けていき、新入生達も後を追う。
部活動は始まったばかりだというのに、夏帆はもう辞めたくなっていた。



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