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秋桜
【コメディ その他小説】

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秋桜-1

(ねえママ、私の名前のゆらいをおしえて)

私は子供ながらに自分の名前が少し変わっていると思ってた。
嫌いじゃないけど、なんでこれを名前にしたのか知りたかった。

(この花みたいに可愛い女の子になれる様に、って願いを込めてつけたのよ)
(ママ分かってるぅ〜。とっても女の子らしい名前だよね)
(あと、何があっても負けない様に。そういう意味も込めてるのよ)
(え〜。それはいいよ、男の子みたいでいやだ。女の子にはつよさなんていらないでしょ)


私は、当然の如く母さんの願い通りに育つと思っていた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

そして時はあっという間に流れて、気が付けば高校に入学していた。
そろそろ本日の授業が終わる。さあ、ここからが私の時間だ。
花を咲かせてみせる。


「あなたが好きです!村井先輩!!一目惚れなんです!!」


思い立ったら即行動が信条の私は、放課後グラウンドに一番乗りで告白した。
村井先輩・・・サッカー部の主将で運動神経抜群、部員からの信頼も厚い。更にイケメンで、嫌いになるのが難しい人。

「・・・誰?君。マネージャーなら間に合ってるよ」
「吉田秋桜(コスモス)っていいます!」

付き合うならさっさと告白するのが一番の近道だ。
マネージャーになどなったら、いつまでかかるか分からないからな。
突然の告白には驚いて思わず承諾するはずだ、さあ来い。

「悪いけどもう練習の時間だからどいてくれないか」
「先輩、好きです!付き合ってください!」

集まってきた部員達に白い目で見られながらも告白を続けた。
でも結局相手にされず、顧問の先生に2度と来るなと怒られてしまった。
食い下がろうとしたらどこに隠していたのか、木刀を見せ付けてきやがったので、仕方なく諦める事にした。
暴力反対なのだ。

・・・私、失恋。

ま、最初だからこんなもんかな。
今日はあと三人に告白するしテンポよくいかないとね。


次はあいつだ。私と同じクラスで中学からの知り合いの・・・


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