最後の夜・後編-5
「ロイ…私、自分ばかり辛いみたいに思ってた…貴方の気持ちを分かってなかった」
「いや、俺の方こそ急に会わないなんて言って悪かった。会わないのが一番いいと思ったんだ。でも、やっぱりお前のことばかり考えて…会うのは辛いけど、会わない方がもっと辛い…」
「ロイ…私も、1日中ずっと考えてた。貴方に会いたい。そればかり考えてたの…」
「ガーネット…」
「ロイ…」
どちらともなく瞳を閉じ、静かにくちづけをした。
はじめはついばむようなキスだったが、 ロイはガーネットの歯を舌でこじ開け震える舌を探り当てた。
「ン・・・っ」
粘膜が触れあい、ガーネットは今まで味わったことのない熱が生まれるのを感じた。
きゅうっと下腹部が切なくなる。
ロイはガーネットの歯の1本1本から内頬までも時間をかけて確かめるようになぞる。
おずおずと応える舌を絡め、甘い唾液を飽きることなく味わった。
唇をそっと離すとぷちゅっと音が鳴る。
ガーネットを見ると顔を真っ赤にして息を弾ませていた。瞳がしっとりと濡れている。
「あ…はぁ…ロイ…」
「ガーネット…」
「今夜だけは、貴方だけのものにして…?」
まっすぐにロイの瞳を見つめながら囁いた。
クラクラするような言葉。
国の人達に知られたら殺されるよな…でも、今夜くらい大目に見てくれよ?
「ガーネット、お前は俺だけのものだ」
ガーネットの嬉しそうな顔を確認して、視線を細い首筋に移した。
首にちゅっとくちづける。
「…ぁっ!」
か細い声。
首筋を下からゆるゆると舐めると、ガーネットの肌が粟立った。
舌を這わせたまま下にさがり、鎖骨のくぼみを繰り返し舐める。ただでさえくっきり浮き出ているのに、もっと溝が深くなりそうだ…
「ん…ン…」
身体をピクピクと震わせながら舌の刺激に身をよじる。
ふと目をやると胸が身体の動きに合わせて揺れていた。
「…あ…ガーネット」
「えっ?」
「胸…揺れてる」
「な…っ!ばか!変なこと言わないで!!」
恥ずかしそうに顔を手で覆った。