生徒会へようこそ【MISSION"3"おばあちゃんを捜索せよ!】-3
ああ、どうしよう。
何でこんな目立たない僕が停学にならなきゃいけないんだ…。
いや、そもそも遅刻する僕が悪いんだけどさ。それにも理由があってさ。やっぱりおばあちゃんはほっとけ無いしさ。
「…ただいま」
とぼとぼと、僕は溜め息を吐きながら第4多目的室に戻る。
「うっ、みんな香住に近付くな!あいつの撒き散らす負のオーラを浴びると腐るぞ」
すいません、オッさん。
今は突っ込む元気は無いんです。
「お?突っ込んでこないな」
「優ちゃぁん、どしたの?ナベと喧嘩でもした?別れるの?」
別れるってどういうことですか!…あ。
「何でそんなに落ち込んでるんだ。さっき『こいつぅ』をやってもらってたじゃないか」
キミさん、見てたんですか!?てか『こいつぅ』って何なんだ。
「キミさん『こいつぅ』とは?」
しょうもないことだろうし、聞くだけ無駄だよ宝さん。
「あれだよ、寿絵瑠ちゃん!男の子が女の子にちょんってしながら『こいつぅ』って言う行為だよ!」
「バカップル界の常識だぜ?宝、覚えとけよ」
やっぱりしょうもなかった!オッさん、宝さんに変なこと覚えさせないで。
ていうか見てたんだよね?あんたらの目にはあの凄まじい突きが、そんな和やかな行為に見えたのか!?
「…はっ!となると、渡邊先生と優はただのアレではなく…」
「バカップルということになるな」
「ちょっとちょっと!!さすがにもう黙ってらんないですよっ!変なキャラ設定しないでください!宝さん、僕アレじゃないから!信じちゃダメ!」
「キャーッ♪優ちゃん復活ぅ!」
「…心の中では随分最初の方から復活せざるを得なかったですけどね」
「それはともかく、なぜあんなに落ち込んでいたのだ?寿絵瑠たちにも話せないことなのか?」
……宝さん、何でそんなに僕から離れてるの?
「宝さん、だから、違うって…」
「お、おぉ。悪いな、つい」
でも結局、その場からは動かない訳ね。
どっちみち、僕は停学になるんだ。
いきなり学校から姿が消えるより、理由を話しておいた方がいいのかもしれない。
僕の生徒会に入る不純な動機が明らかとなる訳だが、この際しょうがないんだ。
最低な奴だと思われる覚悟で話そう。
「あの、実は…」