生徒会へようこそ【MISSION"3"おばあちゃんを捜索せよ!】-2
旧校舎の4階には第4多目的室と物置と化した空き教室しか無い。
なので滅多に人も立ち寄らないので、内緒のお話しにはもってこいだ。
ということで、僕は渡邊先生に土下座をする。
「え、や、香住やめろよ!」
先生は狼狽えて僕を起こそうと引っ張った。
しかし僕は頑なに床に張り付き続けた。
「お前どういう原理で張り付いてんだ?」
「情熱です!」
「ぇえ!?」
「そんな僕の情熱に免じて、約束をもう一週間だけでいいから伸ばしてください!」
「免じてって…。自分で言うなよ」
「お、お願いします〜」
僕はガバッと体を起こして先生の足に纏わりついた。
最初はうえぇっと気持ち悪がっていた先生も、僕の執拗な絡みに諦めを感じたのか「はぁっ」とため息を吐いて床にあぐらをかいた。
「しかたねえな」
えっ!てことは…!
「お前は黙って停学になる他道は無い」
はい!ってぅええっ!?
え?そっち?そっちがしかたないの!?
「そ、そんなぁ…」
「最初にした約束を変えるって男としてどーよ。俺は充分な時間をやったろ?それを有効に使わないテメーが悪い」
「いっ…!」
額をドスっと人差し指でさされる。結構な衝撃で体がのけぞった。
痛い…。
「俺は約束を変えない。だからお前は覚悟しろ。そんじゃあな」
渡邊先生はヨッコイショと立ち上がって、パタパタとスラックスに付いた埃を払う。
それが僕にかかって若干切ない。
先生は片手を上げて、階段を降りていってしまった。