生徒会へようこそ【MISSION"3"おばあちゃんを捜索せよ!】-19
「あの、ちなみに小鞠さんは?」
「あたし?あたしは…これこれ」
机の上に並べられた3台のケータイを指差す。
ブーブーとどのケータイも震えていた。
「今ね、男の子3人からの恋愛相談受けてるの」
小鞠の恋愛相談所だよ!と言って、僕にウィンクをする。
「直接会わないんですか?」
「んー…そうすることもあるけどメールが多いかな。そっちの方が一度にたくさん受けられでしょ?」
なるほど、小鞠さんも色々考えてるんだ。
でも同時にって訳分からなくならないのかな。僕には無理だな。
「では、キミさんは何をやっているのですか?」
宝さんも普段の先輩たちに興味があるようだ。
「パソコンをいつも触ってますよね」
「ハッキング」
キミさんが即答する。
てかハッキングって犯罪なんじゃ…。
「おい、2人ともそんな顔するな。嘘に決まってんだろ」
いや、嘘に聞こえませんから…。
「ただのネットサーフィンだ」
そう言って見せてくれたノートパソコンの画面には、音楽サイトが映されている。
「キミはな、期末テストが近付くと頼ってくる奴がたくさんいんだ。この間なんて講習開いたんだぜ」
「キミちゃん、すっごいお勉強教えるの上手なんだよ♪」
小鞠さんが小声で囁く。
「…めんどくさいんだがな」
キミさんはそう呟いて眼鏡を直した。
へぇ。そう言えば、キミさんはこの学校で一番頭いいんだっけ。
テストか…。嫌な響きだなぁ。
僕もキミさんの講習、参加しようかな。
「寿絵瑠も是非、講習を受けさせてください!」
いや、宝さんは必要ないでしょ!
「なぁ、キミ!今回も頼むぜ」
「嫌だ」
「オッさん、何を頼んでいるのですか?」
宝さんが首を傾げた。
「ん、あぁ。俺、実は頭悪過ぎて進級ヤバかったんだよ。だからさ、前回の期末テストの時、キミから学校のパソコンに忍び込ん」
うわわわわぁぁぁぁ!
流れ的にまずい雰囲気が!
「な、え?優?なぜ寿絵瑠の耳を塞ぐのだ?」
「でもらって、テストに何が出るか調べてもらったんだよ!だから今回もちょっとな」
ガッハッハと豪快に笑ってるけどオッさん、それ完全にやっちゃいけないことですよ!道徳に反してますよ!