生徒会へようこそ【MISSION"3"おばあちゃんを捜索せよ!】-18
次の週の月曜日。
僕はある人物に声を掛けた。
「おはようございます!」
「あら、おはよう。えーと」
本当は知ってるくせに。
「かすみです」
「そおそお、かすみちゃん」
おばあちゃんは可笑しそうに口元に手を当てて笑った。
その仕草が早羽さんと似てる。
「横断歩道、知ってました?」
「話には聞いていたけれど、見たのは初めて。私も助かるわ」
でも…。
そう言っておばあちゃんは僕を寂しそうに見上げた。
「もうかすみちゃんとの接点が無くなるわね」
…おばあちゃん。
「そんなことないですよ!」
僕はこれでもかというほど笑って見せた。
僕は手を挙げて、車を停めた。
「さぁ、どうぞ」
どっかの漫画で見た執事のように少し腰を折って、さっと手を添える。
「…まあ」
おばあちゃんは少し驚いたのか目を丸くしたが、少し笑顔になってしゃなりしゃなりと横断歩道を渡っていった。
反対側に着くと笑って手を振ってくれた。
「あー暇だなー」
6月も終わりに近付きかけた頃、第4多目的室にはいつものごとくダラダラとした空気が流れていた。
いやいや、オッさん。暇ってあんた…。
「僕、オッさんが生徒会の仕事してるとこ見たことないんですけど」
ここの机の上で寝転がってる姿しか知らない。今みたいに。
ていうか、小鞠さんもキミさんもそうだ。
「てめー、俺の実力知らねぇな?」
起き上がってオッさんが片眉を上げる。
「オッさんはねー、他の運動部の試合に助っ人としてよく行くんだよー!」
小鞠さんが代わりに答えた。
そういえば、スポーツテストでオッさんは凄まじい記録を出しまくっていたっけ。
「俺、すげーんだぜ?相手チームなんて俺の姿みただけでビビるからな!」
そりゃ金髪のガラ悪いちっこい奴が、はしゃいでればある意味怖い。
たまに運動部の部長さんがここに来て、オッさんと話をしてたけどそういうことだったのか。
てっきり休日の遊びの予定でも取り付けてんのかと思ってた。