生徒会へようこそ【MISSION"3"おばあちゃんを捜索せよ!】-13
「あなたが『お妙ちゃん』なのですか!?」
令嬢崩壊。
「いえ、私の名前は『妙子』よ。神楽 妙子」
「えっ、な…」
崩壊した宝さんは僕と妙子さんの顔を交互に見ていた。
「あのね、宝さん。僕たちはね、思い込みをしちゃってたんだよ」
そんな宝さんに僕の考えを教える。
「思い込み?」
「おばあちゃんの友達だから、それもきっとおばあちゃんだと思ったんだ」
はっとしたように宝さんは目を見開いた。
「しかも家っていうから普通の住宅だと思った」
「…うむ、確かに」
「でも本当は違ったんだ。おばあちゃんは茶道教室に通ってたんだ。それに『お妙ちゃん』がおばあちゃんじゃないとしたら、アダナなんじゃないかと思って」
おばあちゃんは一言もお妙ちゃんがお婆さんだとは言わなかったし、下ろしていた場所が自宅兼茶道教室の前なら納得だ。
「おぉ、そうか!そうだな!すごいじゃないか、優!ここに来てやっと名誉挽回したな!」
「……あ、ありがと」
こんな複雑な感謝の言葉を述べたのは初めてだ。
「ところで」
僕と宝さんの会話をニコニコしながら聞いていた妙子さんが口を開いた。
「あなたたちが言ってるおばあちゃんって『桂木さん』のことかしら?」
「桂木さんっ!?」
僕と宝さんの声が重なった。
「ええ、私を『お妙ちゃん』て呼ぶの、桂木さんだけだもの」
「まさか新婚旅行に行っていたとはな…」
僕らは妙子さんの書いてくれた地図を頼りに歩いていた。
「夫婦揃って1ヶ月も韓流スター追いかけてたんだっけ…」
「飽きぬなぁ」
その間、茶道教室はお休みをしていたらしい。
どうりでおばあちゃんは来ないはずだ。
だけど…
「おばあちゃん、大丈夫かな…」
「優、顔を上げろ」
なぁんだとほっと胸を撫で下ろす僕らに、妙子さんは言った。