生徒会へようこそ【MISSION"3"おばあちゃんを捜索せよ!】-10
「ん?どうした?何だか疲れているようだな。情けないぞ、男のくせに」
誰のせいだと思ってるんだよぉ…うぅ。
「ま、そんなことより次はどこへ行けばいいんだ?」
宝さんが首を傾げる。キラキラしたあの目のまま。
「分かんない」
「…え?」
「あの…だから、分かんない。おばあちゃんの家」
キラキラが徐々に徐々に無くなっていく。それと反比例して僕の恐怖度は右肩上がりだ。
「…ひぃ!!」
いきなり胸ぐらを掴まれた。
「なぜもっと早く言わんのだ!!」
顔と顔がくっつくまで数センだと思う。でも8:2で嬉しくない。目前の宝さんが般若のようで無ければどんなに嬉しかったろう。
「言おうとしたよ!でも宝さんが…」
そうだよ!僕は悪くない!
「寿絵瑠のせいだと言うのか!!」
間違い無く宝さんの早とちりのせいというか、一人で突っ走った結果というか…。
「…僕だって言おうとしたんだよぉ」
「貴様のあのムゴムゴは言葉だったのか!?言葉は明確に発せねば伝わらんぞ!」
ムゴムゴ!?
聞こうともしなかったくせにぃ…。
「……う、苦し……」
「ちっ」
宝さんは舌打ちをして、放り出すように僕を解放した。
「こんなことをしても時間の無駄だ」
僕のあの苦しみは無駄なことだったの!?
「無駄?」
「知らんものは知らん。こうなったら維持でもご自宅を突き止めるぞ」
「ど、どうやって…?」
僕が涙目のままそう問うと、宝さんは不適にふんと笑ってこう言った。
「情報とはな『聞くこと』が最も重要なのだよ!」
…それ宝さんが言っちゃう?
と、いうことで、僕たちはとにかく聞き込みをすることにした。
そのお婆様のお名前は何かと聞く宝さんに対して僕が首を横に振ると、あからさまにガックリと肩が落ちた。