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幻蝶
【フェチ/マニア 官能小説】

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幻蝶(その1)-1

仄かに暗い果肉の洞窟の中には、秋の風がどこからか蜜液の甘い香りを運んでくる。
ボクは亜沙子さんの性器の中で、あの蝶を追い求め、肉襞のぬかるみの奥にじっと目を凝らす。

ぬらぬらとした微光が、亜沙子さんの膣襞の表面に、砕かれた宝石のように細かい輝きを放ち、
浮かびあがる。

果肉の微かな呼吸…それは、子壺の暗がりから聞こえてくる亜沙子さんの喘ぎ声なのだ。
ときどき襞肉の表面にさざなみがたつように、潤んだ柔肉が淫猥に蠢く。

そのときだった…どこからか木霊のようなせせらぎの音が聞こえたかと思ったとき、一匹の蝶
が、すっと亜沙子さんの空洞の中からあらわれた。


…見つけた…やっと、見つけたよ…


確かにあの蝶が、ひらひらと亜沙子さんの性器の中で舞っている。
ボクが夢見たその蝶は、七彩の鱗粉で包まれた薄い透明な膜のような羽根をもっていた。ボクが
ずっと欲しかった蝶だ。

蝶は子壺の入り口に留まると、亜沙子さんの襞の呼吸に合わせるように、しだいに羽根を大きく
広げる。そして、羽根は艶めくように燦爛と輝き始める。

蝶の羽根は、しだいに大きくなる。鱗粉の光は滲み出すように亜沙子さんの肉襞と重なり、爛れ
るようにゆっくりと肉襞に溶けていく。閉ざされた亜沙子さんの性器の中で、巨大化し、溶けて
いく蝶の羽根が肉のうねりを始める。

やがて亜沙子さんの性器の中は、どこからか聞こえてくる彼女の欲情の喘ぎ声とともに、小刻み
に痙攣する。

そして、ぬかるみ始めた柔らかい襞肉が、ゆっくりとボクのからだを包み始めていた…。



午前二時…ボクの家のまわりからは、何の物音も聞こえてこない。

森閑とした深夜の静寂の中で、ボクは蝶の標本を作りながら、いつの間にか眠っていたようだ。
まだ見たことがない亜沙子さんの性器の夢を見ていた気がする。

亜沙子さんは、ボクの高校のときの同級生で初恋の女性だ。ボクは、ずっと彼女のことを想い
続けている。いや…亜沙子さんの性器をボクのものにしたかったのだ。


容器の中の三角のパラフィン紙から、昨日採った珍しい蝶をボクは取り出す。
まだどこか生あたたかささえ含んでいるような蝶の胴体を手にする。薄い半透明の膜で包まれた
ような羽根の鱗粉が、部屋の飴色の灯りの中で、キラキラと黒と濃いブルーの鮮やかな光の斑紋
を織りなしている。

ボクはその蝶を手にすると、その背中に虫ピンをゆっくり刺していく。その瞬間、ボクのペニス
が微熱を持ち始める。いつもそうだった。やがて微熱は、ペニスの身震いのするような疼きに
変わっていく。

そして、展翅台の上に乗せた蝶の羽根を、ピンセットでゆっくり開いていく。それはまるで女性
の陰部の薄い襞を、一枚一枚ほぐしていくような気分になる。

いつごろから、ボクは蝶の羽根をひろげるとき、女性の性器を思い浮かべるようになったのだろ
うか…。

おそらく、あのときママと初めてセックスをしたときから、そうだったような気がする。




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