幻蝶(その1)-3
ボクが初めてセックスをした女性はママだった。
今から、七年前…ボクが二十歳のときだった。そして、ボクがママの中に射精をしたその翌日、
ママはあの部屋の檻から逃げるように姿を消した。ボクが檻に鍵をかけ忘れたのだ。
あのころ、ボクは自分の部屋に置いた檻に、裸にしたママを逃げないように入れていた。
いつかボクはママを蝶のように標本にしたいと思っていた。もちろん、あそこの花弁を蝶の羽根
のようにピンセットで広げ、開いた陰部に奥深く長い虫ピンを刺す。
そんな話を、ボクは楽しそうにママにすると、頬を強ばらせたママは、白い腿の付け根のあそこ
を、脅えたようにひくひくと色っぽく蠢かしていたものだ。
ママは高校の英語の教師だった。眼鏡をした化粧っ気のない顔、背中で無造作に束ねた黒髪、
そして、いつも着ているのは事務服のような紺色の地味なスーツ姿…幼い頃からボクはずっとこ
んな姿のママを見てきたような気がする。
こんなママに、ボクはいつから女を感じるようになったのだろう。
いつだったか、ママが髪を解き、濃い口紅をしたときがあった。化粧台の前で、艶やかな光沢の
あるシルクの薄いピンクのブラジャーとショーツの下着姿で、お化粧をするママをボクが見たと
きだった。ママの豊かすぎるほどの乳房や括れた腰、そしてむっちりとした太腿…ボクはズボン
の中にふくらみを感じたのだった。
ママには、男ができたのだ。バイト帰りの深夜、駅前でたまたま見かけた着飾ったママは、知ら
ない男に肩を抱かれるように車に乗り込んだのをボクは知っている。
ボクはママを誰にも渡したくなかった…だからママを、檻の中で飼うことにしたのだ。
あのときも、ボクは蝶の標本作りをしたあとだった…。
開いた白い腿の付け根にある蜜汁で潤んだママの花弁を、ボクはペニスの先端で触れる。
どろりとした蜜汁で秘裂が潤み、ママのあそこがボクのものを欲しがるように喘いでいた。小刻
みに媚肉が震え、潤みを増しながらゆっくりと息づいているのがわかる。
ベッドの上で後ろ手に手錠をしたママの白く豊満な乳房が、ボクの目の前で揺れる。乳の谷間が
汗ばみ、柔らかい髪の毛がママの頬に絡んでいる。
滑らかな腹部から、下半身に続く恥丘はツルリとした地肌が青々としている。ボクの嫌いな陰毛
は、すべて剃り上げてあるから、ママの貝肉のような割れ目がはっきりと見え、どこか甘酸っぱ
く濃厚な匂いがする。
太腿からスラリと伸びたむっちりとした脚は、腿の付け根を裂くように開かせ、細い足首をベッ
ドの両端に縄で縛りつけていた。