君の瞳に恋してる・V-11
海の覚悟――
初めて聴いた海の覚悟。
17歳の女の子にそんな覚悟させていたなんて…
教師と生徒が付き合うという事は、どちらにも傷がつくかもしれないという事。
僕は目を逸らしていたかもしれない。
生徒に気づかれていないのに馬鹿みたいにあたふたして…
海にだけ背負わせたりはしない。
キイィィィ――
大通りで車を路肩に止めた。
「先生?どうしたの?」
シートベルトを外して助手席に身を乗り出し、困惑している海の両頬を包んだ。
「せん…っ」
ちゅっ…
言葉を遮るように海の唇を塞いだ。
海の身体から力が抜けていく。
優しくついばんで唇を開放した。
「センセっ…見られちゃう!!」
まだ陽が射していて、車の外からは中が丸見えだ。
「海さん、僕も覚悟してるんだ。キスしたい時にキスをする。普通の恋人同士のように」
「先生…」
「誰に咎められても、離しはしない」
「先生…」
「大好きです。海さん。とても…」
「先生!!」
海が大きな声で遮った。
「嬉しすぎて死にそう…!!」
うっすらと涙を浮かべながら微笑んだ。
「ハハハ…死なれたら困ります」
海の身体を強く抱きしめる。
「あたしも、大好き」
海が僕の首に腕を回してキスをした。
車の外の視線が気にならないわけではないけど、とても清々しい気分だ。
大好きだよ。
海。