唯高帰宅部茜色同好会!(第三章)-19
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「……」
放課後、俺は全身の力を抜いて体を机に預けた。
「汗くせー」
キスケはデオドラントスプレーを何度も体に振りかけている。
「アッキュ、お疲れ」
顔を上げると、ユーリが爽やかな顔で缶ジュースを差し出してきた。
「さんきゅ」
缶を受け取って栓を開けると、女性陣も集まってきた。
「アッキュ、何へこんでるのよ」
「…あー」
俺達は負けた。
最後にキスケの放った打球は鋭くセンターの頭を越えた。
それを見て俺は三塁を蹴り、一気にホームへ向かった。
これで同点だと確信していた。
……だが。
何故かボールはキャッチャーの手に。
気付いたときには遅かった。
経験者のピッチャーが中継に入り、ホームに矢のような送球を投じたらしい。
俺は帰塁もできずにタッチアウトとなり、ゲームセットとなった。