唯高帰宅部茜色同好会!(第三章)-16
「よし!」
ホームベース上で握り拳を作って、そのままベンチに戻るとユーリが出迎えてくれた。
「ナイスだな」
「あー、女性陣を楽しませるためだからな」
「……俺も次は絶対に出る」
「おう」
カァン!
「うおお!」
四番と五番がヒットでランナーを返し、そしてなんと六番までもが続いて、なんと四点目が入った。
「同点だ!!」
「っしゃあ!」
七番は三振に終わったが、これで最終回で四対四の同点。
なんとか勝ちが見えてきた。
「よし!抑えるぞ!」
「おおっ!」
無意味に叫んで意気揚々と守備につこうとしたときだった。
「なあ…」
なぜか今までやる気のない連中が集まってきていた。
最初に口を開いたのは、先程ヒットを打った六番打者だった。
「…悪かった。全然真面目にやんなくて」
「え?」
それは思いがけない言葉だった。
六番打者のクラスメイトはそのまま言葉を続ける。
「いや…正直、だるいし時間の無駄だって最初は思ってたんだ俺ら。でも…なんかお前らがすげーやる気になって頑張ってるの見ると、悪かったなって…」
「ごめんな」
「俺も…ごめん!」
「ごめん!」
皆、一様に頭を下げてくる。
「…お前ら全員顔上げろい!!」
俺が言う前に、キスケが大きな声で言った。
「ハナっからやる気ないやつも野球苦手なやつもいると思うけどさ、どうせ嫌々やるくらいなら開き直ってよ、ドドーンと張り切ってみようぜ!」
ユーリがそれに続く。
「その通りだ。楽しんだほうが気分転換にもなる。俺達はお前らみたいに勉強頑張ってないけど、こういうのもたまにはいいんじゃないか?」
「…そういうことだ!よしお前ら!最後の守備にしようぜ!」
俺が最後にそう叫ぶと、全員コクリと頷きそれぞれのポジションに走っていった。
勝てるかもしれない。