夏の怖い話-3
「うっわ、何この縞模様!つか血の量ヤバいっしょ」
「まぁ、4人分だからね」
「でっかぁ…。こんなんに刺されたら腫れるわな。尚子、よくやった!!」
「まぁね!」
美和子は蚊の亡骸を見て顔をしかめる。朋も「ゲェッ」と表情を歪めてから、私に向かって親指を立てた。
「あれ?杏奈は?」
「あそこ」
キョロキョロと見渡す沙羅に分かるよう、私は意識の無い塊を指差す。
それに朋が駆け寄る。続くように私たちも走り出した。
4人で杏奈を囲み、杏奈の側に転がっていたランタンで照らした。
「つか、こいつ誰だよ!」
「キモッ!」
「トイレから戻ってくる途中に叫んでさ。ヤバいよね、この顔」
「顔面何カ所刺されてんだよ」
「つか気付けよ」
「でさ、私何かと思って行くじゃん。そしたら顔触りながらうずくまっててさ」
「痒かっただろうね」
「耐え難ーい」
「痒い&自分でも触った感触がキモかった&眠いの三拍子揃ったみたいで、そのまま意識トバしたから放置しといた」
「なんちゅうマヌケ」
「しかも顔ヤバいし」
「でしょ!?ムゴすぎて私直視出来なかったもん」
「お化けかよ」
「お化けより怖いよ、この顔面は」
「あたしじゃなくて良かった」
「顔面刺されるとか怖〜」
「女だからこその恐怖」
「つかさ、あんた達が車の中で患部冷やしてる間ヤキソバ出来たの。食べない!?」
「食べるっ!!まだ三時でしょ?朝まで食うぞ!」
「じゃーアホはほっときますか」
「ガールズトークしよ!ガールズトーク」
「じゃあね、哀れ杏奈」
「……………………………痒」
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