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君の瞳に恋してる
【教師 官能小説】

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君の瞳に恋してる・T-1

空が今にも泣き出しそうな昼休み。
花壇のレンガに横になって空を眺めていた。

「あ〜、雨降りそうだなあ…」

「ほら海(うみ)、降ってきそうだし教室戻ろう」

「ん〜…」

よっこいしょっと起き上がった時、視線の横で何かがキラっ光った。
光の方を見ると、そこは化学準備室。

加持先生だ…

化学準備室の窓から眼鏡を外して、瓶底のような分厚いレンズをクロスで拭きながら見上げていた。たぶん眼鏡が反射したのだと思う。

眼鏡外してるとこ初めて見た。

髪は伸び放題でいつもぼさぼさで、教師のくせに生活指導の先生によく怒られていた。
なんとなくドン臭そうなビジュアルで、去年教師になったばかりということもあり生徒にはなめられ気味だ。

あ…目の色違う…

加持の瞳は片方は黒く、もう片方は薄い茶色をしていた。
今までは目にかかる長い前髪、瓶底眼鏡のせいで気づかなかった。

「綺麗…」

「え?なあに、海」

「ううん♪なんでもないよ、結花ちゃん」

加持が中に引っ込むのを見届けてから足取り軽く海も歩き出した。
   
空が今にも泣き出しそうな昼休み。
海は高鳴る胸を手で抑え、存外自分が意外性に弱いことを知った。




コンコン

ある昼休み、海は意を決して化学準備室の扉を叩いた。

「はい?どうぞ」

「失礼します」

中に入ると、瓶底ボサボサヘアーの加持がパンを食べていた。

「加持先生、ちょっとお邪魔していい?」

「星野さん?あ、いいですよ。どうかしましたか?」

「ん〜、ちょっとね…」

準備室の中を見渡すといろいろな実験器具が綺麗に棚に収められていて、6畳程の部屋は整頓されている。

「先生に会いに来た」

「えぇっ!?」加持の心臓がどきんと鳴った。

「先生って几帳面なんだ。この部屋すごい片付いてて綺麗だね」

「いや…そんなことないですけど…」

「――それに」海がゆっくり加持のもとに歩み寄り、加持が座る椅子の前の机に向き合うようにひらりと座った。


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