金曜日-2
「三枝さんは久しぶりの婦人科で緊張しているのかな?それなら無理もないです。でも僕達医者は女性の体は見慣れてますからね。患者さんが意識する程、僕らは意識しないものですよ」
「そうですよね…私ったら取り乱してしまってごめんなさい」
私がそーっと顔を覆っていた両手を外すと、藤堂医師がまっすぐ私を見て笑っている。
私は彼の言う通り久しぶりの婦人科の診察にすっかり緊張してしまっていたので、目の前の優しい笑顔にホッと胸を撫で下ろした。
「謝らなくていいんですよ。でもやっぱり僕も男だから、あなたくらいキレイな方だとちょっと意識しちゃうかな」
そう言ってたちまち赤らんだ藤堂医師を目にし、私は再び恥ずかしさに顔を覆ってしまった。
「さぁ…それでは内診してみましょう。症状は腹部の鈍痛でしたね」
「は…はい」
彼はこの場の空気を一掃するように医師らしくそう言うと、箱から取り出したラテックスグローブをはめた。
「少し滑りをよくする為に、ヌルヌルするものを塗りますよ」
そう言って人肌に温めた潤滑ゼリーを私の陰部に少量垂らしていく。
「大丈夫かな?」
「はい…」
「痛みがないように慣らしていきますから、なるべく楽にしてて下さいね」
不安と羞恥から腰が引け気味の私を気使いながら、藤堂医師が私の膣口にゼリーを塗り込んでいく。
ヌチュ…
ヌチュ…
あ…んっ!先生たら…そんなことしたらダメよ…感じてきちゃうじゃない…やんやん…んっ!
「ああ〜んっ!」
ゼリーのぬめりが膣口を擦る感じに、私はまたしてもいやらしい声を上げてしまった。
「ん…三枝さん?」
こちらの様子を伺う藤堂医師の声がカーテン越しに聞こえる。
「へ…平気です…先生」
私はどうにか平静を装いそう言った。
「そう?もう少し解してあげると、あとの治療がスムーズに進むからね」
彼はそう言いながら、丁寧に指の腹を使い、私の膣口のごく浅い部分を押し広げていく。
あぁっ…辛いわ!そこは敏感なとこなのに…
ジンジン痺れるくらいに感じてしまっている私は、思わず腰を捩らせる。
込み上げてくる快感と戦う為、私は自分の手の甲に唇を強く押し当て、必死に漏れる声をこらえていた。