恋愛下手な俺。-4
「こおきいっ」
「こおきっ、もっとちょうだい…っ」
「何欲しいって?」
「もっと、ちゃんと」
指を第一関節までしか入れてないことが不満なのだろう。
俺の左腕にしがみつきながら、懇願してくる。
「もう無理なんじゃなかったの?」
「こおきがっ、その気にさせたんじゃんっ…」
右手の中指は、休まず遠藤の中のかき混ぜ続ける。
「もっ…、こおきの欲しいよっ」
グイっと、中指を押し込む。
「やあああっ」
「イった?」
「もう、こおき嫌い」
「あんなに喘いでたのに?」
それから俺たちは、もう1回シて眠りについた。
その日の帰り道だった。
遠藤を家まで送って、俺は田んぼ道を歩いていた。
すると俺の前には、見慣れた後姿。
気が付いたら、走り出していて、美佳の細い腕をつかんでいた。
「ひっ」
「美佳、なんで一人?」
「なんだ、耕貴か…
急に腕つかまれたから、ビックリした」
耳に詰めていたイヤホンを抜きながら、美佳はほほ笑んだ。
美佳とこうやって話すのは、1ヶ月半ぶりくらいだった。
最初は気まずかったけど、話していくうちにそんなこともなくなって。
「ちょっと、寄り道してこ」
美佳がそう提案するので、俺たちは途中の公園に寄ることにした。
「遠藤さんと、うまくやってるの?」
「え?」
核心部分に触れないように話していたのに、意外にもそこに最初に触れたのは美佳だった。
「え?じゃなくてー」
珈琲屋で話した時と同じように、美佳は俺の顔真似を混ぜながら言う。
「別に普通だって。
それより、お前こそどうなんだよ」
「え?」と言うので、俺は美佳の顔真似をしながら「え?じゃなくてー」と言ってやった。
すると、美佳はフと笑みをこぼしながら「うまくいってるよ」と言った。
「准は優しいし、大人だし。」
ベンチに座りながら、美佳は言う。
俺もその隣に腰を下ろした。