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調教物語
【その他 官能小説】

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調教物語(その5)-1

周辺には、何人かの飛行機マニアが写真を撮りに来て、
飛行機が頭上を飛ぶ度に、カメラのシャッターを押していた。


その中で彼等から離れた場所に優子の車が止まり、
二人は後部座席で抱き合っていた。
窓のブラインドは下ろしてあり、覗きでもしない限り外からは見えない。
そこは昼間でも、
アベック達が車中で淫らな行為に及ぶことで有名だった。


「優子が車で来てくれるなんて思わなかったな」
「はい、車の方が何かと便利ですから、その方が・・ご主人様と・・」
「なるほど、色々と気が利くね」
「はい、あの・・ご主人様」
「何かな、優子」

「優子は、今日始めてお会いしたのに、何故かそんな気がしません」
「そうだな、私もそんな気がする」
「何故でしょう?」

意気投合した二人は、昨日までは逢ったこともないカップルだとは、
到底見えなかった、ただネットという媒体が彼等を繋げてはいたが。

「それはね・・」
「はい、ご主人様」

もう既に優子は、恋人気分で甘えたような声になっている。
その目は女学生のように澄んでいた。


この男性が女性を虐め、
調教をする行為を、無類の悦びと感じる人だと分かっていながらも、
今は、この瞬間だけでも甘い恋人同士でいたい、
という優子は素直な気持ちになっていた。

「それは、二人の相性が良いことと、優子が良い女だからだよ」

そう言うと研二郎はいきなり優子を抱きしめ、キスをした。
「あぁ、ご主人様・・」


優子の口の中に研二郎の舌が入ってきた、男臭い煙草の匂いがする。
舌が優子の唇を舐め回す、荒々しいキスだった。


(やはり、この人は本物のS男性に違いないわ)
初対面だというのに、荒々しい研二郎のキスを受け、
優子は、そう確信した。


優子が見た研二郎は写真で見たときより、長身で精悍だった。
写真では、背広を着た普通の証明写真のようだったが、
わざと彼がその写真を選んだのだろうか?

その男性は、
研二郎が優子を始めて見たときと同じ、
優子も、研二郎を写真で感じたイメージよりも違っていた。

写真からはあまり感じられなかったが、
今の彼を見ると、粗野で野蛮なS男と感じるのだが、
又、どこかで優しさも併せ持つ、不思議な人だと思うのである。


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