警部補 少年係-7
事情聴取2回目開始。録音。
カチャカチャカチャ(電話番号を押す音。)プルルルー
「はい、もしもし。」
「あの、天留川警察ですけど。さっきのことについてもう少し詳しく教えて下さい。どこらへんで見られたんか具体的に説明して。」
「天留川駅のフレンドリーの辺りで見ました。」
「それ見たんいつ?」
「11月20日火曜日、天留川駅のフレンドリーの辺りで見ました。」
「じゃあ。おとついか。まっじゃ〜また、家伺わしてくれる?」
「え!それは無理です。」(一瞬、声が裏返る。)
「なんでや。」(即座にかえす。)
「え!ちょっと仕事上の都合で。」(早口で答える。)
「働いてはんの?」(笑った感じで少し訝しげに言う。)
「はい。」(低めのテンションで答える。)
「その犯人見た!言う時は何してはったん?」
(2、3秒間があく。)
「ちょっと娘の用事で学校まで。」
「あっ娘さんの。じゃあ。また、暇な時、家伺わせて下さい。詳しく聞きたいんで。」
「いえ、それは、ちょっと無理なんですけど。」
「なんで。何か行って困ることあるんか?」(あくまでも、理由を聞く感じで言う。)
「いえそんなことないけど、仕事が忙しいから。」
「じゃあ、またかけます。」
ガチャ(電話を切る音。)
下中巡査部長をはじめとする数人の刑事と会話。
「下の名前、嘘いうてるな。年も嘘やし。」
「犯人見たんおとついで110番からしても、40は引っかかる。」
「職質(職務質問)したら何て答える気やったんやろう?(笑)」
「自分のなりたい職か身近な教師?」
「開き直って刑事とか。高成署の。」
「清子さんの娘さんじゃないんですかね〜?」
「犯人やったりして。」
「それはないやろうけど、身内にいてる可能性はあるな。」
「とりあえず、もう一回してみよ。」