警部補 少年係-12
「三角顔でがっしりとした体形。」(自信満々に言う。)
「何歳ぐらいやった?」
「58歳。」
「身長は?」
「183センチ。」
「ちょっと、お父さん立ってみて。」
(父親が立つ。)
「お父さんの倍ぐらい?」
「そうですね。」(父親。)
「これぐらいやった?」(山田が父親を参考に手で示す。)
「はい。」(少年がうなずいて答える。)
(父親が座る。)
「服装は?」
「上下とも緑のジャージ。」
「上も下も同じ?」
「はい。」
「髭とかはやしてた?」
「はい。」
「どこに?鼻の下?あご?」
「鼻の下。」
「どんな感じでやった?」
「ぼうぼうやった。」
「ホクロあった?」
「なかった。」
「髪型は?」
「茶髪でぼさぼさ。」(少し迷った感じで答える。)
「あっ。髪型とか分からんな。」
「はい。」
「眼鏡かけてた。」
「かけてた。」
「犯人見たんは学校の帰りやってんな?」
「はい。」(低いテンションで答えながら少しうつむく)
(メモ用紙に少年が見たと言った場所の地図を書く。内容はこうだ。北を上として考える。高架になっていて天井があり天留川駅と繋がっている。フレンドリーは南北に沿って縦長で東側にある。店内に入るには西から東に行くことになる。従って、通学通勤などで通る人たちは西側を歩くことになる。出入り口の外にも店舗がある。北側にケーキ屋があり出入り口を間に挟み南側に団子屋がある。北に行くと少年の通っている学校があり、南に行くと天留川駅だ。)
「じゃ〜ここがフレンドリーやとして、こっちが天留川駅やとしたら、だいたいどこ歩いてるときに見たか×印で書いてみて。」
(ペンを渡す。)
(少年が出入り口と団子屋の付近に×印を書いて山田に返す。)