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〈価値観〉
【鬼畜 官能小説】

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〈価値観〉-17

『ちょっと出掛けてくるから、それまでオシッコ我慢してろよ』


一度の“交わり”だけで、修二は小屋から出て行った。
富代は、また昨夜のように、しつこく身体を舐め回し、僅かにでも勃起すれば、性器同士の結合を欲するとばかり思っていた。
少し拍子抜けな気はしたが、別に修二に弄ばれたいと思っていた訳でもない。
今日、一日中していたように、この拘束からの脱出を試み、懸命に足掻いた。
もはや手首の皮はズル剥け、僅かに枷に擦れただけでも激痛が走る……それでも富代は止めようとはしなかった。
………と、小屋の外から数人の声が聞こえた……その声はどんどん大きくなり、小屋の扉が開けられた。


『あ、居たぞ!』

『うわ……酷い臭いだ……』


懸命に頭を擡げ、富代の縋るような瞳に映ったのは、数人の男達だった。
20代に見える男もいれば、50代に近い男もいる。
年齢のバラバラな男達は、富代の周りに集まり、心配そうに見つめた。


「んも゛〜〜ッ!!!」


必死に、悲しげな瞳で喚き、この男達に哀願した。
涙を溢れさせ、身体を捩り、この拘束からの解放を訴えた。


『さあ、もう“大丈夫”だぞ』


男は、富代の顔に絡み付く麻縄を外し、口に詰められた下着を取り出し、床へと放り投げた。
唾液が糸を引き、ダラダラと汚液を滴らせた汚布は、土に塗れ、小屋の片隅で役目を終えた。


「ハアッ!…ハアッ!…たす……助かったのね……?」


口からヨダレを垂らし、安堵に脱力しながら嗚咽していた。
言葉の自由を与えてくれた男達を、自分を捜してくれていた父兄達だと信じて疑ってはいない……取り囲む視線は、その晒された〈全て〉に粘着しているというのに、それには気付いてすらいない……。


『あ〜あ、手首がこんなに剥けて……痛いだろ?』


痛々しく皮の剥けた手首を掴み、まじまじと眺め、わざとらしく沈痛な声色で話し掛けた……枷を外そうとはしてはいない。


「し、修二よ!!加藤修二が私にこんな……あの変態、絶対にボコボコにしてやるから!!」


自分の受けた屈辱に怒りを表わにし、またも口汚い叫びをあげた。男達の間から失笑が漏れた……。


『……孝太郎君も今に来るから……そんな言葉を使ったら嫌われるよ?』


富代の顔に、少しだけ笑みが戻った……愛しい彼氏の名前に、身体が条件反射をしたのだろう。


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