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イケナイ恋愛 夜のパーキングで
【女性向け 官能小説】

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イケナイ恋愛 夜のパーキングで-1

『イケナイ恋愛 夜のパーキングで』

著者 沢口ヒロ





ちゅるんっ、と雪絵のちいさな口に含まれる、白いうどん。

ふっくらとした唇に触れると、雪絵はいつも目を潤ませる。強く抱きしめて長くキスをした後、彼女はしばらく距離をおく。舌を絡ませる深いキスをした後、彼女は逃げるように背を向けた。

彼女自身興奮してしまい、理性を保てなるのを怖れているのだ。



キスをしているときの、雪絵が鼻から吐く熱い息と、からだを通して伝わる胸の高鳴りと火照りが、彼女の性欲が沸き上がってきていることを証明していた。

しかし、セックスは拒み続けている。彼女とはたったの二度しか、からだを重ねたことがない。



外気温との差で、窓は結露している。暗い闇しか見えないが、雪はまだ止んではいないだろう。山では今晩、吹雪くかもしれない。

隆志と雪絵はスキー旅行の帰りに、パーキングエリアで軽く夕食をとっていた。



同じスキー客だと思われるのが何人かいる。

隆志たちと同じような学生の恋人同士で来ている者もいれば、女ばかりである集団、家族連れといろいろだ。

彼らは同じように、それなりに高い値段のわりに安い味しか出せない、雑然とした食堂で、彼らなりに楽しんでいるふうである。



汚れた床、腰の位置をずらすとがたつく椅子、テーブルには落書き。恋人どうしか、片想いの馬鹿が書いたのだろう、ハートの中に男女の名があった。

冷えたからだがうどんの湯気に暖められたからか、何度か鼻から垂れそうになるのをハンカチで拭った。雪絵も、鼻をすすりながら食べている。



彼女とつき合い始めてから、もうすぐ二年が経つ。

隆志が、水泳部の後輩であった雪絵に告白されたのは、彼の高校の卒業式の日であった。

桜の咲く前の、まだ冬の寒さの残る春先。雪絵は透き通るような真っ白い頬を赤く染め、そのときも少し鼻をすすっていた。

つき合って一ヶ月ほど経つと、雪絵は隆志に気を使ったのか、もしくは女友だちに何か言われたのかもしれない、夜、彼の部屋で初めてからだを開いた。

隆志は今でもはっきりと覚えている。

初めて目にした彼女のはだかは、まさに雪のように白く滑らかで、雲母がきららと光るように輝いて見えた。

そして、そんな清楚なからだとはまったくの異質な、黒く艶めかしい海草が、下腹部を隠していた。


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