イケナイ恋愛 夜のパーキングで-6
「むぅんっ」
彼女は息継ぎをし、鼻を鳴らす。苦しそうな声。
しかし、彼女は休もうとしない。
懸命に奉仕する彼女の瞳が、うっすらと涙を湛えているように見えた。
雪絵は口をすぼめ、隆志の昂ぶりを唾液とともに、ずずっと音を立てて吸い上げた。頬の裏肉が、肉竿に張りつく。
雪絵の髪を優しくなでた。ふいに、彼女の姿に江尻が重なる。
かりッ、と音が鳴った。最初、隆志には何の音なのかわからなかったが、すぐに痛みが股間に走った。
「ぐうッ」
隆志はくぐもった声をもらす。
雪絵が彼の太茎から口を離した。どろりと唾液が唇から垂れる。わずかに赤い色が混じって見えた。
隆志は自分の息子に刻まれた歯形と、うっすらと滲んだ血液を目にする。雪絵の破瓜の血を思い出した。
「江尻那津子って人も、これを舐めたんでしょう?」
雪絵は静かに、じっと隆志の目を見つめた。
なんで、江尻のことを知っている?
隆志の胸に、不安が満たされていく。
「彼女から私に、電話があったのよ」
雪絵は、泣きそうな声になっていた。瞳が涙でいっぱいになっている。
雪絵はせまい車内で、窮屈そうにズボンを脱ぎ始める。
官能の滲みがついたショーツに指を引っかけて、するりと下ろすと、彼女の秘所を隠しているはずの黒い海草が、きれいになくなっていた。盛り上がった恥丘には、赤い肉を覗かせる、唇のような割れ目があるだけである。
彼女は恥ずかしそうに目を伏せて言った。
「セックスを拒んでいたこと、反省しているわ」
頭を丸めるように、彼女は化粧室で、下半身の毛を剃ってきたのだった。
「他の女のところになんか、行っちゃいや。お願い、別れないで」
雪絵は頭を屈めてシートに足を乗せ、隆志のからだに跨った。
彼のすぐ目の前に突き出した赤い傷口を細い指で自ら開く。
そして、男の楔に腰を落としていく。
過去の恐怖を噛み締めて、懸命に男を迎えようと耐える。その表情は、隆志の胸を強く騒がせた。
そのため肉の凶器は、少女をさらに苦しめようとするかのごとく、より巨大化していくのである。
少女の痛みと、官能の悦び。
二つの感情の混じり合った悲鳴が、冬の夜空に高く響いた。
了