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唯高帰宅部茜色同好会!
【青春 恋愛小説】

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唯高帰宅部茜色同好会!(第二章)-8

***

昼食は、なんとサキのお手製だった。

最初に、サキが大きなバスケットを持って歩いていたのを不思議に思って訊いてみたのだが、内緒だと言い張った。
だがまさか昼食を作ってくれていたとは。

そうだと言ってくれれば俺が持ったのに。


「サキはやっぱりすごいな」
ユーリがサンドイッチを手にして言った。
「うんうん!おいしいよ、サキ」
マリィはおにぎりを頬張っている。
もうちょっと上品に食べなさい。

「ありがとー、でもおかずはあんまり用意できなかったから」

サキは本当にみんなのことをよく見ているし、気が利く。
優しくていいやつだなと、俺は昔からこういう場面でいつも感心している。


だが、そんなほんわかムードをまたもマリィの一言で変わってしまうのだった。


「よーし、じゃあ午後からは三つに別れて行動しましょ」


「なに言ってんだよマリィ」
「あたし考えてたのよ、一度はこんなところで男の子とデートしたいなって」
「…だからなんなんだぜ?」
「だから、デートの練習をするのよ」
「はぁ!?」

相変わらず、マリィは意見は出してくれるものの、内容は突拍子もないものだった。

「実はもうくじ引き作ってきたのよ」
マリィはそう言って、爪楊枝を六本取り出して握った。
「随分と安上がりなくじですね」
「というか、最初からやるつもりだったのか」
真面目な二人も苦笑いしている。

「つべこべ言わない!いつも六人なんだからたまには別れて好きなことやってもいいじゃん!」

うーん…流石にみんな嫌がってるか?
一応リーダーとして止めるか…

「ってお前ら!!」

みんな既に爪楊枝を選んで摘んでいた。

「アッキュ、一斉に引くんだから早く選んでよ」
「……なんなんだ」
仕方なく残り二本から手前の爪楊枝を摘んだ。
「ペア同士で色塗ってるからね」
「マリィ、これじゃ男と男、女と女になるかもだぞ」
「いいのよそれでも!」

仮にもデートとか言っておいて…


それにしても、俺以外のやつらは何でこういうアホ企画にノリノリなんだ?

この間の一件も、罰ゲームを全く恐れずに自ら全員参加したし。

最初はこいつら全員危機感ないのかと思っていたが、これはもしかして俺が異常なのか?ノリが悪いのか?

…考えるのやめよう、悲しくなってきた。


「はい、じゃあ引いてー!」

マリィが言うと、皆一斉に爪楊枝を引き抜いた。


神様、キスケとペアは疲れるのでやめてください。


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